子のつぶやき

 下校する前に校長室をノックする子がいました。

「失礼します。校長先生、さようなら。」

 

 私は、こうした子に必ず返す言葉があります。

朝の挨拶をしに校長室を訪ねた子には、

「元気ですか?」

『はい。』

「いいね。どれくらい?」

『えっ!?』

 

 どれくらい元気か?と質問されたことなどない子は、一瞬動きが止まります。

でも、脳みそはフル回転で、どう答えようか考えているのです。

「このくらい。」

と言って、親指と人差し指で距離を示したりします。

 

中には、

「校長先生の背くらい!」

と言ったりします。

 

 下校前に校長室にやってくる子には、

「今日は、楽しかったかい?」

『はい!』

「何が楽しかったの?」

 

と尋ねます。

 同じ子が毎日やってきて、その問いに工夫して答えようとします。

そこが楽しいのです。

 

 昨日、帰りに校長室にやってきた子に、

「楽しかったかい?」

と尋ねると、楽しかったと答えました。

すると、

『校長先生、挨拶したらいろんな話ができていいと思う。』

と話すのです。

「何がいいの?」

と重ねて尋ねると、

 

『あいさつの後に、校長先生と話をするから、面白い話ができるんだもん。』

と答えるのです。

 

挨拶をする目的の一つです。

「おはようございます。」「今日はいい日になるといいね。」「さようなら。」「また明日も元気で会おうね。」

そんな会話が続けば素敵ですよね。

 

先日、学校医が帰り際に、

「渚滑の子は、いいね。挨拶がしっかりとできる。」

とおっしゃいました。

挨拶の様子を通して、渚滑小学校をそのように評価してくださいました。

 

子どものつぶやきや行動の中に、「本質」を再確認させてくれることがあります。