ICT活用の基盤となる力

 修学旅行から帰ってきて、子供たちの学習の様子を観てみました。

5,6年生は国語の学習です。

それぞれの学年で課題を設定し、空き教室を使って進めていました。

5年生は、これから学習する単元の、「単元学習計画」を相談しながら決めていました。

説明文教材で、筆者が主旨(いちばん伝えたいこと)を主張するために、

どのような工夫によって文章を構成しているかを学びます。

担任はそこにはいません。

子供たちが自分の学びとして確立しているからできるスタイルです。

 

一方、6年生は…、

「古典」の学習です。

ここでは、「芸」について視点をあて、動画を利用して親しんでいました。

動画で動きを観ることができるのは、端末ならではです。

 

1年生教室をのぞいてみます。

「漢字の成り立ち」について、学習を進めていました。

 

ここでは、動画をつかってその漢字がどのようにできたのか、確認しています。

「うわぁ!! すごい!」

と、形が徐々に動いて漢字に変換していく様子をみて興奮していました。

「上」という漢字がなぜ、そのような形になったのか、予想を交流するのも面白いです。

 

中学年教室をのぞいてみます。

音楽の学習です。

「鑑賞」の授業で、曲の様子を曲線で表して、電子黒板を利用して共有していました。

「ここで盛り上がって、ここで暗い感じがしたので下がって…。」

という発表を聞いたある子が、

 

『…っていうことは、そこが曲の山場ってこと?』

とつぶやきました。

 

実は、こういう子供たちの言葉で「価値付け・意味付け・問い返し」がなされると、

学習は「自走」に近付きます。

つまり、受け身の学習から、自分たちで学習を構築し、学び続けるということです。

 

『…それって、ちがう場面でも同じことが言えるの?』

『じゃぁ、視点を変えたらどうなるの?』

『つまり、〇〇ってことね。』

 

などが、授業の中でどんどんつぶやかれるようになるといいですね。

 

ICTを活用する利点が多くありますが、そもそも、子供たちは学ぶ力として、

「はてな?」

「つまり…。」

「違う方法で試してみよう。」

といった、探求心をもって学ぶ基盤が大切です。

ICTの教材は、数年前と比較して驚くほど用意されてきました。

その教材を意図的に活用する力が、教師には試されてきています。

 

          【事務職員作成】