渚滑からのつぶやき

みんなのつながり(運動会)

「本日もよろしくお願いします!」

合同の職員打ち合わせをしています。

そう、本日は渚滑小中合同運動会です。

心配される天候でしたが、朝は日が差すほどで、これまでの不安定な予報が噓のようです。

登校してきた児童・生徒と最終確認を経て、運動会が始まりました。

参観している保護者の方とも楽しく競技しました。

 

私は、今回の運動会を観ていて、いくつか感じたことがあります。

 

まず、運動会を盛り上げる手段の1つ、「アナウンス」です。

「おおおおっと! 紅組がリードしています!!

 さぁこの後、どのようになるのでしょうか!!???」

実況は、その場の状況を即興で説明する役割です。

当然、原稿が用意されているわけではありません。

 

この実況を楽しんでいる子達です。

「いいねぇ!!」

担当の先生たちも、テント前を通る先生たちも声を掛けてくれます。

声を高く、イントネーション(抑揚)を付けてマイクを握りしめていました。

 

来賓の方々も、

「いいなぁ、このアナウンス。」

と価値付けてくれました。

 

ライブ感を楽しむことができる子たちが増えるといいなと感じました。

 

次の写真。

小学校の競技中、中学生が旗を振って応援してくれています。

私の「眼」にとまった理由が、応援している場所です。

中学生種目の時も小学生が同じように旗を振って応援していたのですが、

競技している場から少し遠い場所でした。

(もう少し近くてもいいかもな…。)

と感じていたのですが、さすが中学生。

競技している状況を見極めて、いい場所で応援していました。

こういう時、先生が、「ここまで出ておいで!」

とか、「まとまって!」

など、指示することが多いものです。

でも、それは指示しなければ判断できていないということの現れ。

「横断歩道を指示されなければ渡れない子」ではいけないのです。

今回、生徒会が中心になって応援グッズを作成したようですが、

ひょっとしたら、応援の仕方、応援する場も考えられるとおもしろそうだと感じました。

 

次の写真。

閉会式、中学校長の挨拶の場面です。

中学生は、つま先をこちらに向けて話を聞いています。

昨年の運動会ブログでも紹介した内容だったと思いますが、

こうした所作を当たり前にしているところに、私は人柄を感じます。

聞く態度が良ければいいと楽観視しているわけではありませんが、こういう態度は、

コミュニケーションの前提、「マナー」だと私は思っています。

 

そして、生徒会長の話です。

生徒会長の挨拶を、私はいくつかの場面で聞いていますが、今回の挨拶もよかった。

 

「運動会のテーマは、『きびきびと活動し、はきはきと反応する』でした。

 私は、きびきびと動くとき、集合時間よりも前に集まったり、整列したりしました。」

 

というもの。

「きびきびというのは『きびきびした動作』だけでなく、時間軸でとらえて、想定して事前に動くことも「きびきび」である」

と受け取りました。

 

閉会式が終わったとき、私は彼女に語り掛けました。

「今日のあいさつ、素晴らしかったね。」

『ありがとうございます! 緊張して少し頭が真っ白になっちゃったんですけど…。』

 

そう答える彼女でしたが、「事象、言葉の本質を自分なりに咀嚼した表現」を聞き、

私の感想を伝えずにはいられませんでした。

 

この「きびきび・はきはき」というキーワードを次のように指導していた学級がありました。

6月6日発行 学級通信「中学年」より抜粋

『運動会に向けた取組が始まってから、「きびきび」について子どもたちに話してきたことがあります。

それは、「集合や並んでと言われて、駆け足で行動するのは50点。

言われなくても、動けているのが100点。本当のきびきびとは何かということです。」

(中略)

誰かに言われるのではなく、自分で考えて行動できる姿に本番でも注目していただきたいと思います。』

 

というもの。

担任が何にこだわり、子供たちにどんな力を身に付けてほしいのかが分かります。

 

優勝した白組の最後の円陣。

そして、準優勝の紅組。

悔しくて涙を流している子もいましたが、どの子もいい眼をしています。

集合写真を撮る場は、「渚滑のアイドルたち」を撮影する保護者の方でいっぱいでした。

 

後片付けを手伝ってくれた保護者の方々、

ありがとうございました。

おかげで、雨に当たることなく、計画した日程を終えることができました。

 

小学校に戻り、先生たちに私は感じていることを素直に伝えました。

その内容は、私と先生たちだけの共有とします。

運動会成功の裏に隠れた先生たちの目立たぬ配慮、

素晴らしかった。

 

今日を迎えるまでに、家庭での影の努力もあったと聞いています。

一人ではちまきを結ぶのは難しいけれど、家の人と結ぶ練習をした子。

放課後、バトンの受け渡しの練習をしたという子。

 

多分、中学生の中にも影の努力を重ねた子がいるはずです。

こうした、目立たないけれど自分に必要だと感じて努力する子たちがたくさんいたから、

当日の運動会につながったのだと思います。

 

なにより、「影のMVP」は、この二人だと私は思っています。

  

 

両校の教頭、「窪田」「松本」です。

なぜ影のMVPだと思うのか、

これも私の心に伏せておきます。

 

今日の実施にあたり、ご来場いただいた地域来賓の方々、

教育長、朝、メッセージを送ってくれた市内校長会の皆様、ありがとうございました。

たくさんの声援と拍手を送ってくれた保護者の皆様、ありがとうございました。

 

いい運動会だった…。

みんな、

「最高!!」

楽しみながら

先日、「ゆくりば」に反復横跳びスペースが登場したことをご紹介しました。

その場に変化が表れています。

朝、休み時間にこの場で運動している子が増えてきました。

反復横跳びは、「体力テスト」の種目の一つです。

ここで勘違いしてはいけないことに、「反復横跳びがたくさんできるようになる」

ことが目的ではないことです。

 

数年前、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」が企画され、全国の5年生、中学校2年生が対象となり、

子供たちの体について調査することになりました。

でも、不思議なことが全国の学校で起こり始めました。

本来、子供たちの体力の状況を調査する目的だったものが、

体力テストの結果を上げることに焦点化され、

種目の練習だけで毎日の体育授業が終わるようになってしまったのです。

 

本末転倒とはまさにこういうこと。

 

楽しく運動する機会を増やす。

そのためのセッティングです。

ホワイトボードには、記録と名前を記入することになっています。

毎日、記名が増えているのです。

やらされる運動ではなく、やりたい運動の1つです。

「学校の廊下に、長い雲梯(うんてい)があれば面白いのに…。」

「階段が滑り台なら、2階に行くのも楽しいだろうな…。」

私はそう思いながら、学校中を歩いています。

 

外の畑をのぞくと、

かわいい看板が設置されていました。

「100%おいしいたまねぎ」

「強くりっぱにそだって!」

子供たちのメッセージが書かれています。

そのメッセージの答えは、自分たちのこれからの活動にかかっているのです。

 

明日の運動会を前に、前日準備を進めました。

てきぱきと進めていきます。

もう少し「挨拶」をたくさんしたかったな…と感じました。

もくもくと進める作業ではありましたが、今後の課題かもしれません。

 

そして、本日最後のつぶやき…。

分かりづらい場面だと思いますが、昨日の総練習後、

子供たちが学校に帰ってきたときの玄関での一場面です。

 

子供たちは傘を手にしていました。

とくに低学年は、「傘を閉じてまとめる」という動作がうまくできません。

そんな子を見たとき、皆さんはどうしますか?

 

私なら、この時担任がとった対応と同じことをすると思います。

「片手に持ってる水筒を持っててあげるから、

 自分でやってごらん。」

 

と言って、じっと見ていました。

そして、時間を掛け、傘を閉じてまとめることができました。

「できた!」

その子はにっこりです。

担任は、

「できたね。よくやったね。」

と価値付けていました。

 

すぐにできない=手を貸す

のが当たり前になっていたり、

手を貸す=優しい

といった風潮に、私は同調しません。

 

この世には頑張ってもできないことがあります。

例えば、目が不自由な人に、目を凝らして頑張って見てみなさい。

これは、指導でもなんでもないこと。

 

体験不足でできないことであれば、やり方を教え、コツに気付かせ、手を貸さないことも指導だと思うということです。

当然、傘のしまい方は事前に教えなければなりません。これは家庭のすべきこと。

「手を貸さないなんてかわいそうだ。」

という人がいるなら、私はこう言うでしょう。

「困っている人に手を貸すことができる人になってほしいから、

 今、手を貸さないんです。」

 

賛否両論あるでしょうが、私はそう思います。

教えるべきこと 見守るべきとき

それをはき違えてしまうと、弱い人間をつくってしまう…。

 

あくまでもこれは私の主観です。

 

明日の運動会、無事実施できますように…。

成功の確信(運動会総練習)

本日の天候は雨。

予定されていた運動会総練習は、雨天プログラムとなり、

渚滑中学校の体育館に会場をうつしました。

各種目の動きと係りの動きを確認していきました。

「よっちょれ」を踊っている子供たちの掛け声がよかった! 

全員が声を出して揃えたらもっといい!

 

踊っているときに、中学生が応援旗を振ってくれています。

この応援旗は、中学校の生徒会が作成した物で、数日前に小学校へ通知が届いていました。

「自分の出番ではない時も、旗を使って自分のチームの応援をお願いします。

 運動会を盛り上げましょう!」

というメッセージです。とてもいいです。

 

全ての種目を終えた後、中学校生徒会長が素敵なコメントを伝えてくれました。

「予定より総練習が早く終わったので、みんなで『しっぽ取り』をしましょう!」

すると、歓声が上がりました。

 

テープでしっぽをつけるサポートを中学生がしています。

準備ができた後、スタート!!

小中児童生徒、先生が入り乱れて走り回っています。

生徒会長が、すべてを仕切っています。いいです。

「〇本以上取れた人は、そのまま立っていてください!!」

 

この後、生徒会長と話をしました。

「とても、素敵な企画ですね。」

『はい、ありがとうございます。先生にもサポートしてもらいました。』

「そうですか。あなたたちがやろうとしたこと、やってみたいこと、どんどん先生たちに発信してもらえるかな?

 小学生と中学生がこうすることって、楽しいと思うから。」

『はい! 分かりました!』

 

素敵な笑顔とはきはきとした返答は力強く、たのもしくも感じました。

きっと、これからの交流をよりよくする提案をしてくれることでしょう。

期待しています。

 

そして、最後に各組に分かれて「振り返り」と「勝どき」をして終了です。

「みなさん! お疲れさまでした! 本番…、がんばるぞ!!」

「おぉおおお!!!」

 

今日の総練習を迎えるまで、各学校では指導と助言を進めていました。

数日前、放送係の指導をしていた場面に遭遇しました。

「…応援お願いします。」

 

「う~ん、もう少し力が入らないかなぁ…。」

アナウンスの言い方に視点を与えています。

「…応援、お願いします!」

「う~ん、もう少しだなぁ…。 「応援」で少し間をあけてみて、

 「お願いします!」を高く言おうか?」

 

変容させるために、気付かせる問いと指導をしています。

声のトーンを高くすると力強く聞こえるものです。

「声を大きく!」と指導するよりも、こうしたほうが効果的です。

 

総練習が終わった後も、学校に戻って、その子のニーズに合わせて振り返りをしています。

放送原稿をもとに、友達と確認しています。

児童代表のあいさつをする児童会長も、

挨拶するときの動きを確認していました。

「今のどうだった?」

「すごくいい! 〇〇してたし…。」

と友達に評価させている点もよかった。

できなかったことができるようになっていた場面がたくさんありました。

でも、もっと焦点化してレベルを上げようとすることが、

その子の学びを深めるのも事実です。

 

私は、総練習をしている間、中学校長だけでなく、中学校職員とも話をしました。

「いやぁ、「よっちょれ」いいですね! 中学生と合同で踊れないですかね!」

と声を掛けてくれたり、

「もっと、こうしたらどうだろう?」

とすぐに変更できることも相談したりしました。

世間話をして、笑ったりした時間も楽しかった。

 

「小中連携」という言葉がありますが、連携という根本は、コミュニケーションの取り方であり、

世間話をすることも含めて、時間と情報を共有することが前提だと感じます。

「こんなことしたら楽しそうじゃない?」

「こんなことできそうじゃない?」

「やってみない?」

という言葉が、子供たちから生まれてきたり、

先生たちがわくわくすることを意図的につなげていくことができれば

「一貫」に代わっていくと思います。

 

子供たちが下校し、これから小中合同で今日の振り返りをする時間を設けます。

 

今日の様子を観ていると、当日の成功を確信することができました。

チーム渚滑、頑張りましょう!!

仕掛ける

朝の子供たちの動きに変化が表れています。

登校して、ランドセルを背負ったまま、じょうろを持って直行します。

玄関横に移設した畑です。

子供たちが作物に関心をもって育てることをねらいとしたとき、物理的な仕掛けが有効だと思います。

学級で当番を決めているようですが、そのうち、当番だから畑に行くのではなく、

作物の成長が楽しみだから畑へ行くとなるといいなと思います。

 

今日、「ゆくりば」を見ると初めての光景がありました。

低学年の子が算数の練習問題に取り組んでいるのです。

「授業は教室で学習する」という定説がありますが、

私はもっと柔軟であるべきだと思います。

学ぶ場を意図的に選択したほうが効果的であるという前提ですが、

こういった、学習場所の選択もあっていいと思います。

当然、身に着けておく学習規律はありますが、

こういう学習を成り立たせるために、普段の学習規律を整えておくべきかもしれません。

 

先日、こんな校内連絡掲示板でアナウンスがありました。

休み時間のダンスの練習場所を体育館ステージに設定するとのことです。

テレビもセッティングしています。

この仕掛けにより、

子供たちの取組に自主性が生まれています。

「やらされる練習」ではなく、「やりたい練習」

に変える仕掛けの1つだと思います。

 

そして、昨日、外でダンスの練習をしていました。

私は後ろでじっと観ていました。

観ているといくつか改善点があると思いましたが、どれも先生たちの気付きとつながりで解決していました。

「ちょっと待ってくださいね。」

と担当教員が子供たちに話すと、

さっと先生たちが集まり、なにやら相談をしています。

 

子供たちの踊る場所、間隔について協議しています。

「もっと広がったほうがダイナミックに見える。」

「どれくらい、広がりますかね…。」

 

もう一度子供たちの立ち位置を確認しています。

こっちの方がいいと私も思いました。

 

そしてもう一つの改善点。

先生たち、どうするのかな…と思っていましたが、先生たち、さすがでした。

担当教員が、子供たちをキビキビと集合させたあと、

 

「もう少しダイナミックに、力強く見せるために何を変えたらいいかな?」

こういう問いが有効です。

そして、

「掛け声をそろえる」

ようにしました。

 

教員が答えをすぐいうのではなく、答えを考えさせる問いをする。

指示なのか問いなのか?

普段からこういう細かなこと、些細な仕掛けにアンテナを高くしておくと、

指導スキルも変わるものなのです。

 

今日は週末。

来週にせまった運動会に向けて、

先生たちもピンと糸を張りつめた状態で毎日の指導を進めています。

大変な疲労があるにも関わらず、疲れを見せず、笑顔で子供たちと接している姿に、

感銘を受けます。

短い休日ですが、ゆっくり休んでほしいです。

 

来週、少し天気が心配です。

指導と学びをつなげる

しばらくブログをアップしていませんでした。

ここ数日間の様子をご紹介します。

どの場面も「つなげる」がテーマです。

 

昨日、「畑の苗植え」をしました。

地域の講師(網走農業改良普及センターの方)や紋育バンクの講師を招いて、準備を進めてきました。

過去のブログでも紹介した通り、「子供たちが自分で植えた作物と責任をもって関わる機会を増やしたい。」

という目的から、畑の場所を変更しました。

プランターを使って育てる作物や、

ハウスを使った作物栽培など、

先生たちも指導の準備を進めて当日を迎えました。

低学年の子供たちの中には、シャベルをうまく使えない子がいたり、

苗を植えるための穴を掘ることができない子もいたりして、生活体験の把握をすることもできました。

学校の畑担当教員も、何度も外部機関と調整し、担任団とも情報共有をしていたので、スムーズに進めることができました。

 

校舎内の廊下には、「種」や「種芋」が展示されていました。

形を変えて成長する作物について、さりげなく展示しておくことで、子供たちの「観る眼」を育てていました。

 

さりげなく…といえば、「ゆくりば」に、あるブースが誕生していました。

これは、「体力テスト」の反復横跳びブースです。

こういう環境を設置しておいて、子供たちがいつでも使えるようにする工夫があります。

まだ、このブースを利用している子は目にしていませんが、そんな状況を判断してブラッシュアップしていけばいいと思います。

 

ブラッシュアップといえば…、

玄関を通ってすぐに、生活目標のホワイトボードがあります。

昨年度から指導部が企画したもので、月別生活目標に対して自己・他己評価するものです。

今月の目標は運動会にちなんだ目標で、

子供たちの書き込みを読んでみると、

走り方のコツをつぶやいている子がいました。

この視点がとても大事で、今年度の本校の重点目標である、

「気付きをつなげる子」を育むための視点である、「気付きを使う→思考・判断・表現力」に通ずるものです。

つまり、自分で気付いたコツを、他者にアウトプットすることで他者の考えにも触れ、気付きを深めるのです。

 

友達に様々な手段を用いて伝えることで、その能力を高めようと試みています。

 

今日、家庭科室でジュースを作っているクラスがありました。

牛乳といちごジャムをミックスさせたジュースです。

子供たちが関心の高い調理実習ですが、作って飲むことだけに目的があるわけでなく、

作る過程、作る前の準備、後片付けの段取りなど、様々なねらいがあるわけです。

その中でも、とても大事なことが、人とのコミュニケーションです。

「ここ、おさえてもらえる?」

「100グラム入れてね。」

など、必然的に会話が生まれるのです。

出来上がったジュースを職員室におすそ分けするときにも、

「失礼します!」

「〇〇を作ったので、どうぞ。」

などの礼儀、所作、敬語など、使う必要性がある場面を意図的に設定して学習を深めるのです。

 

学習を深めるといえば…、

校舎を回っていると、理科室で子供たちと担任が悩んでいました。

メダカです。

動物の誕生について,メダカ育てたり、誕生について資料を活用したりする中で,卵の様子に着目して,時間の経過と関係付けて調べていく学習を進めています。

何を悩んでいるかというと、

「どうしたら卵を産んでくれるか?」

という悩みです。

「光の関係か?」

「いや、水温じゃないか?」

など、条件について考えています。

『水温が低すぎるとダメなんじゃない?』

このように考察する学習を通して、条件を関連付ける学習の深まりをねらっていました。

 

ねらいといえば…、

これは、低学年教室の朝の会の様子です。

担任が、今日の予定を可視化しています。

「スケジュール」を確認することはとても大事な要素で、低学年だけでなく、どの学年においても、

「見通しをたてる」ことは優先すべき指導内容です。

つまり、「ゴール」を明確にするということ。

ゴールが分からずに走り続けることは無理ですから…。

 

見通しをたてる大事さがわかるエピソードがあります。

この世で一番の「罰」は何かというと、「終わりの見えない作業」だと定義付けた人がいます。

 

海外の刑務所に収容されている罪人の中に、大変素行の悪い囚人がいました。

どんなに罰を与えても効果がなかったそうです。

でも、次の簡単な作業を指示したところ、その後の行動に変化があったとのこと。

 

それは、「Aの場所に2m程度の山を作りなさい。」

簡単だとその囚人は、スコップを使ってあっという間に土の山を作ります。

「では、その山をBの場所に移動させなさい。」

たったこれだけの指示ですが、これを数十回続けさせると、その囚人はギブアップしたというのです。

 

この諸説を紐解いてみると、

「終わりのない単純作業」と「必要性の感じない行動の連続」ではないでしょうか?

 

子供たちは年間1000時間の授業時間(コマ)を体験します。

学校は、この1,000時間に「必要の連続性」をいかに意図的に仕向けるか?

が大事だと私は思うのです。

 

話を戻します。

そのために、自分の生活に見通しをもたせる指導は、マストだと思うのです。

 

マストといえば…、

先生たちは学習しています。

「研修」といいます。

学校独自のスケージュールと内容で、自己のスキルアップを図り、学校力を高めます。

この日は、「自分ならどう授業を作るか?」というテーマです。

それぞれの先生が、制限時間内に一コマの授業を創造するのです。

当然、単元のねらいや身に付けるべき能力を押さえておかなければなりません。

 

なにより、私はこの雰囲気が良いと感じました。

「こういうねらいがあるけど、どういう導入がいいかな…。」

「どんな板書(黒板の使い方)がいい?」

など、実践を想定した協議ができていました。

 

さて、長くなりました。まとめにつなげます。

今日、小中合同練習をしました。

渚滑小27名、渚滑中40名が集まりリレーをしています。

時々、紅組、白組に分かれて中学校生徒が活動の価値付けをしていたり、説明をしていたり、

生徒の活動が機能的でした。

こうした、合同の活動を意図的に設定して小中のつながりを深めていくことで、

価値を高めたいと感じました。

 

放課後、校長室下の畑(昨年まで使用していた)から、

「ギャハハははは!!!」

と笑い声が聞こえました。

覗くと職員が作業しています。

植えきれなかった「芋」を植えていたのです。

昨年もこうした様子をブログで紹介したと思います。

今年もみんな仲がいいです。

笑いと会話がたくさんありますから。

 

馴れ合いの仲よしではなく、チームとして必要な「情報共有」を前提とした仲良しです。

「自分はこう思う。」

「こんな悩みがある。」

「子供たち、こんなつまずきがあった。」

「では、どういう手立てを考えようか?」

「〇〇さん、喜んでたね。」

そういう情報共有をとることができるチームは強いと思います。

 

今も職員室から先生たちの笑い声、相談している声が、バリバリ聞こえてきます。

そんな職員室がいいと思います。

 

長くなりました。

また明日の楽しみにつなげたいと思います。

抽象を形に(具体の指導)

運動会練習が始まり、本日も天気は良好。

今日は、「授業中の子供たちの表情」を観察してみました。

低学年のある学級では、こんな指導をしていました。

私たち大人は、子供の会話の中で、案外「抽象的」な言葉を使っているものだとお気付きでしょうか?

例えば、「話をしっかり聞きましょう。」の「しっかり」や、

「姿勢を正しくしましょう。」の「正しく」などがそれです。

つまり、しっかりや正しくの基準は曖昧なので、何がどういう状態のことなのかイメージできないままです。

でも、子供は「分かっているだろう。」と思ってしまうので、話がかみ合わないのです。

 

学級を覗くと、「合わせる」という言葉の概念を指導していたようです。

例えば、

「目を合わせてごらん。」=こちらを向く

だったり、

「手を合わせる」=一緒に

など、その言葉に含まれる他の意味を学習していました。

その手立てが面白かった。

 

目の前にいる担任と同じ形をとるのです。

「目を合わせます。」

じっと子供たちは担任に目を向けます。

次に、

動作を合わせています。

 

応用で「息を合わせる」ことにもつなげられるかもしれません。

楽器を使った「音を合わせる」などもできるでしょう。

 

この時、私は子供たちの表情を見ていました。

とっても楽しそうです。

 

この動きもシンプルです。ですから応用も効くし、子供たちも活動に見通し(ゴール)が分かるので、

安心して楽しみながら取り組めるということ。

 

何より、担任とサポーターの表情がいい。

授業には笑い(ユーモア)が大事。

 

観ていてこちらも表情が緩みました。

 

その後、休み時間になりました。

校長室に戻るとドアをノックする音が聞こえます。

「校長先生、虫取りにいこう。」

と誘いにきた子。

また一緒に虫網を持って駆け回る季節がやってきました。

一緒に外に出た先生と、

「虫網もって駆け回る子って、少なくなったよね…。」

と話す、心地よい時間でした。

つながる活動

中学校とのつながりについてご紹介します。

本校と渚滑中学校は歩いて5分ほどの距離に隣接しています。

時々、来客者が間違えて小学校に来たりもするほど近い立地です。

 

そんな両校では、「運動会」を合同で開催しています。

昨日、両校の職員が集まって、運動会の合同会議を開催しました。

論点を絞り、てきぱきと進んでいきます。

だらだらとした会議は意味がありません。

 

そして、今日、二人の小学校職員が仲良く出掛けていきました。

目的は、中学校の授業参観です。

何度も申し上げるように、「授業を大切に」

という思いは、中学校も同じです。

「これから、授業参観に行きますね。」

「どうぞ!」

そんな風通しのよい関係づくりを続けていきたいものです。

 

そして、小学校の放課後、

中学校のイベントにも参加しました。

「クリーン作戦」です。

中学校のカリキュラムに、小学校が任意で参加させてもらいました。

中学生は、運営を自分たちで進めていました。

本番に向けて、教員がそばで指導、助言をして、当日は生徒が自主的に進めるというスタイルでしょう。

小学校でも同様のスタイルをとっています。

協力して渚滑地区をきれいにしていきました。

 

小中連携は手段であり、目的ではありません。

人が成長するために、連携できたら有効だから連携するのです。

そのとき、

児童、生徒の成長のためだけでなく、

私は職員が安心して教育活動を進め、自分のスキルを伸ばす場であるべきだと思っています。

 

そう思えなければ、諸刃の刃です。

 

中学校の職員のみなさん、今後もよろしくお願いします。

シンプルに

最近、授業を観てみると共通していることがあります。

それは、子供たちが体を動かすための手立てをとっている学習が多い

ということ。

今日、紋育バンクを通じて、楽しく体を動かすメニューを指導してくれる講師を派遣してもらいました。

走り方、スタ―トのコツを教えてくださったり、

身の回りにある道具を使った体つくり運動など、子供たちは楽しく体を動かしていました。

 

低学年の教室の後ろには、ラダーが置きっぱなしにしてありました。

とてもいい試みでした。

なぜなら、前日の音楽の時間に、3拍子のリズムを体感する学習をしていました。

トントンパ、トントンパ…。

3拍子のリズムです。

こうして、運動の場をさりげなく設定することで、あきの時間を使って、子供たちは自然と体を動かす

ものです。

 

この他に、エプロン袋を使って、障害物くぐりをしています。

子供たちはキャッキャ言いながら、飽きずに繰り返し取り組んでいます。

 

これらの運動の共通点は、

「シンプル」

ということ。

難しいルールなく、分かりやすいということ。

ここに自分たちでルールを作ったり、

コツを伝え合うことで、思考・判断・表現力などを鍛えています。

 

私は、玄関で子供たちを迎えるとき、このボールを子供たちに投げます。

「爆弾だ!!」

といって、カウントダウンすると、子供たちはキャッチしてすぐに友達に投げます。

自然とボールキャッチが始まります。

子供たちに運動を仕掛ける方法はいくらでもあり、

シンプルなほど長続きしますし、思考する機会が増えるものです。

 

また、シンプルなグッズを探してみることにします。

もしも…。(避難生活訓練)

先週、避難生活訓練を実施しました。

「災害が起きた時に、必要だと思うものは?」

の問いに、子供たちは相談を始めます。

「食料」

「トイレ」

「お金」

などなど、その根拠をもって発表します。

 

子供たちは、このような避難生活を体験していないですし、

職員でもこのような体験は皆無かもしれません。

紋別市役所の総務部の方が、段ボールベッドを持ってきてくれました。

各学級で組み立てていきます。

「つぶれないね!」

興味津々の段ボールベッド。

 

次に、非常食、避難セットを確認です。

テントにも入ってみました。

 

いざという時の対応は、想定しておくことが前提です。

 

「もし、この生活が、三日続いたら?」

「もし、一か月なら、どう?」

 

そう問い返すと、子供たちも考えています。

楽しい学習の時間だったようですが、

いざこの生活を続けるとなったら…。

 

考える機会を与えることはできたようです。

みんないい顔(遠足)

本日、遠足でした。

 

朝の会では、待ちきれない子供たちの様子が伝わってきます。

玄関前で出発式を待つ子供たちの声は高らかです。

でも、いざ始まると…、

子供たちは一気に変わります。

ありがちな、

「静かにして!」

「話すからこっち向いて。」

の枕詞は必要ありません。

担当者が話し出すと、ぴたっと私語をやめ、目線をびしっときめています。

始まってからの切り替えが整っていました。

「行ってきます!!」

とても楽しそう、嬉しそう。

片道2キロ強の「せせらぎ公園」を目指します。

到着後、全校遊びを始めました。

担当の児童が、要領よく的確な言葉を使って説明していました。

身振り手振りを使うだけでなく、

実際に演じて説明をしています。

3つのゲームをしながら、子供たちと先生と交流を深めました。

先生たちが真剣に遊んでいる姿。

素敵でした。

先生が本気じゃないと、子供も本気になりませんから。

私は、その様子を見ていて何度も大笑いしました。

 

さて、お弁当の時間です。

…とその時、

パラパラ…。

小雨が降ってきました。

機転を利かせた先生たちが、雨宿りできる場所へ数グループに分けて避難させました。

雨はこの時間だけで、残りの時間は帰りまでたっぷり体を動かすことができました。

 

帰校した子供たちはぐったり疲れていました。

最後の一言で、私は子供たちに約束を一つしました。

 

みんないい顔の遠足でした。

RSS2.0
「本日もよろしくお願いします!」 合同の職員打ち合わせをしています。 そう、本日は渚滑小中合同運動会です。 心配される天候でしたが、朝は日が差すほどで、これまでの不安定な予報が噓のようです。 登校してきた児童・生徒と最終確認を経て、運動会が始まりました。 参観している保護者の方とも楽しく競技しました。   私は、今回の運動会を観ていて、いくつか感じたことがあります。   まず、運動会を盛り上げる手段の1つ、「アナウンス」です。 「おおおおっと! 紅組がリードしています!!  さぁこの後、どのようになるのでしょうか!!???」 実況は、その場の状況を即興で説明する役割です。 当然、原稿が用意されているわけではありません。   この実況を楽しんでいる子達です。 「いいねぇ!!」 担当の先生たちも、テント前を通る先生たちも声を掛けてくれます。 声を高く、イントネーション(抑揚)を付けてマイクを握りしめていました。   来賓の方々も、 「いいなぁ、このアナウンス。」 と価値付けてくれました。   ライブ感を楽しむことができる子たちが増えるといいなと感じました。   次の写真。 小学校の競技中、中学生が旗を振って応援し...
先日、「ゆくりば」に反復横跳びスペースが登場したことをご紹介しました。 その場に変化が表れています。 朝、休み時間にこの場で運動している子が増えてきました。 反復横跳びは、「体力テスト」の種目の一つです。 ここで勘違いしてはいけないことに、「反復横跳びがたくさんできるようになる」 ことが目的ではないことです。   数年前、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」が企画され、全国の5年生、中学校2年生が対象となり、 子供たちの体について調査することになりました。 でも、不思議なことが全国の学校で起こり始めました。 本来、子供たちの体力の状況を調査する目的だったものが、 体力テストの結果を上げることに焦点化され、 種目の練習だけで毎日の体育授業が終わるようになってしまったのです。   本末転倒とはまさにこういうこと。   楽しく運動する機会を増やす。 そのためのセッティングです。 ホワイトボードには、記録と名前を記入することになっています。 毎日、記名が増えているのです。 やらされる運動ではなく、やりたい運動の1つです。 「学校の廊下に、長い雲梯(うんてい)があれば面白いのに…。」 「階段が滑り台なら、2階に行く...
本日の天候は雨。 予定されていた運動会総練習は、雨天プログラムとなり、 渚滑中学校の体育館に会場をうつしました。 各種目の動きと係りの動きを確認していきました。 「よっちょれ」を踊っている子供たちの掛け声がよかった!  全員が声を出して揃えたらもっといい!   踊っているときに、中学生が応援旗を振ってくれています。 この応援旗は、中学校の生徒会が作成した物で、数日前に小学校へ通知が届いていました。 「自分の出番ではない時も、旗を使って自分のチームの応援をお願いします。  運動会を盛り上げましょう!」 というメッセージです。とてもいいです。   全ての種目を終えた後、中学校生徒会長が素敵なコメントを伝えてくれました。 「予定より総練習が早く終わったので、みんなで『しっぽ取り』をしましょう!」 すると、歓声が上がりました。   テープでしっぽをつけるサポートを中学生がしています。 準備ができた後、スタート!! 小中児童生徒、先生が入り乱れて走り回っています。 生徒会長が、すべてを仕切っています。いいです。 「〇本以上取れた人は、そのまま立っていてください!!」   この後、生徒会長と話をしました。 「とて...
朝の子供たちの動きに変化が表れています。 登校して、ランドセルを背負ったまま、じょうろを持って直行します。 玄関横に移設した畑です。 子供たちが作物に関心をもって育てることをねらいとしたとき、物理的な仕掛けが有効だと思います。 学級で当番を決めているようですが、そのうち、当番だから畑に行くのではなく、 作物の成長が楽しみだから畑へ行くとなるといいなと思います。   今日、「ゆくりば」を見ると初めての光景がありました。 低学年の子が算数の練習問題に取り組んでいるのです。 「授業は教室で学習する」という定説がありますが、 私はもっと柔軟であるべきだと思います。 学ぶ場を意図的に選択したほうが効果的であるという前提ですが、 こういった、学習場所の選択もあっていいと思います。 当然、身に着けておく学習規律はありますが、 こういう学習を成り立たせるために、普段の学習規律を整えておくべきかもしれません。   先日、こんな校内連絡掲示板でアナウンスがありました。 休み時間のダンスの練習場所を体育館ステージに設定するとのことです。 テレビもセッティングしています。 この仕掛けにより、 子供たちの取組に自主性が生ま...
しばらくブログをアップしていませんでした。 ここ数日間の様子をご紹介します。 どの場面も「つなげる」がテーマです。   昨日、「畑の苗植え」をしました。 地域の講師(網走農業改良普及センターの方)や紋育バンクの講師を招いて、準備を進めてきました。 過去のブログでも紹介した通り、「子供たちが自分で植えた作物と責任をもって関わる機会を増やしたい。」 という目的から、畑の場所を変更しました。 プランターを使って育てる作物や、 ハウスを使った作物栽培など、 先生たちも指導の準備を進めて当日を迎えました。 低学年の子供たちの中には、シャベルをうまく使えない子がいたり、 苗を植えるための穴を掘ることができない子もいたりして、生活体験の把握をすることもできました。 学校の畑担当教員も、何度も外部機関と調整し、担任団とも情報共有をしていたので、スムーズに進めることができました。   校舎内の廊下には、「種」や「種芋」が展示されていました。 形を変えて成長する作物について、さりげなく展示しておくことで、子供たちの「観る眼」を育てていました。   さりげなく…といえば、「ゆくりば」に、あるブースが誕生していました。 こ...