2024年5月の記事一覧

遠足で見えた、子の臨機応変

 晴天に恵まれた10日の遠足。

風が強かったものの、予定スケジュールを変更するものは何もありませんでした。

 元気よく歩く子供たち。

目的地について、全校遊びが始まりました。

子供たちが事前に準備していたレクを説明します。

その中で、「鬼ごっこ」をすることになりました。

「鬼になりたい人!!」

『ハイ!!』「はい!!」

 

鬼になった子供たちは、今にもスタートしようとしています。

でも、ここである子が、

「ちょっと待って!」

と制止しています。

なぜかというと…、

 

「これじゃぁ、誰が鬼か分からないよ。」

 

「じゃぁ、帽子を後ろにすればいいんじゃない?」

「そうだね、そうしよう。」

「みなさん聞いて! 帽子が後ろの人が鬼ですよ!」

 

こうしてスタートしました。

 

「臨機応変」という言葉があります。

【その場の状況によって、行動や言葉、対応を変えてより適したものに変えていく】

ということです。

 

この言葉通り、その時の状況を判断して対応することは難しいけれど、

こうした学習をするのが「学校」の役割だと思います。

人によって正解は違えど、先を想定し判断して行動することはとっても大切なこと。

学校ではたくさんの失敗もするし、責められることもあります。

 

鬼ごっこのルールも、臨機応変に変えていいのです。

もし、帽子のつばを後ろにするというルールを決めなければ、だれが鬼なのか分からないままだったでしょう。

 

続きがあります。

実際に鬼ごっこをしていると、なんだか不都合がありました。

なかなか捕まらない…。

 

そこでとった新たなルールで、「逃げられる場所を狭くする」ということ。

鬼ごっこの面白さは、追い追われることです。そのスリルが味わえなければ楽しさも半減ですから、

「範囲」を決めるという臨機応変さ。

 

 お弁当の時間にも臨機応変さが。

 

お弁当の時間、独りぼっちの子はいないものの、こんな場面が…。

 

「〇〇ちゃん、一緒に食べよ!」

『うん、いいよ!』

〇〇ちゃんは、その誘いに喜んで敷物を敷いていました。

Aグループの誕生です。

 

するとそこに、違う子から、

「ねぇ、〇〇ちゃん! 一緒にたべよ!」

という別の誘いが…。

〇〇ちゃんは、困ってしまいました。

(自分はAグループなのに…、Bグループにも誘われた…。どうしたらいいの…?)

 

こんな心の声が聞こえてきます。その様子をみて、私はどうするのかな?と興味津々でした。

 

すると、別の子が、こういうのです。

「じゃぁ、みんなで一緒に食べたらいいんじゃない?」

 

『いいね!」』

こうして、AB連合グループが誕生し、みんな笑顔です。

 

 私は、こういう体験がとっても大切だと思うし、新たな考えや折衷案を認めることがとても大切だと思っています。

 その様子を見ていた先生たちもいましたが、すぐに口出しせずに見守り、子供たちのとった行動を褒めていました。

 

 子供たちはひとしきり遊び、楽しんだ後の様子を写真に撮りました。

後片付けもばっちりでした。

 

こうしたことができるように指導して、子供たちの自立を促した遠足だったのです。

熊が出没する目的とは…?

 昨日、予告通り「熊訓練」を行いました。

 

 「もし、熊と遭遇したらどうする?」

という教頭の問いに、グループで考える子供たち。

「目をそらさないで、ゆっくり下がる。」

教頭の授業マネジメントもよく、子供たちはいい眼をして授業に参加しています。

 

その後、熊が登場!(毛皮を羽織った職員ぐま)

遭遇した時の熊との距離によって、とる行動が変わります。

熊と遭遇しないことが大前提ですが、「もしも…。」の時の対応を考えます。

熊の糞や、熊が荒らしたごみの実物を目にして、興味津々の子供たちでした。 

 

最後に、私が子供たちにこんなつぶやきを…。

「缶詰の缶にこんな穴を簡単に開ける熊を前にして、みんなは本当に(落ち着いて)行動できる?」

『できるか分からない…。』

『できないよ…。』

 

「そうだよね…。でも、どうして熊は、この辺に出てくるんだろう…。

 何か、目的があるのかなぁ…。」

と、とぼけてみました。

 

すると…、

「人間を食べに来るんだ。」

という子供のつぶやきが。

 

 熊に対する知識がこのような子供たちに、さらに学習を深めて欲しくて提起した私からの問い。

地域の状況とつなげて、「熊」を考えることはできないかな…。

と思っています。

 

 地域の方も参加した今回の「熊訓練」

渚滑ならではの教材を使って、気付きや思考を深めさせたいものです。

 

熊訓練と渚滑地域の課題のつながり

 

 校長室から裏山を覗くと、シカが草をついばんでいます。

自然豊かな地域です。

 

 でも、なにやら「熊」が近くで出没するらしいです。

 

そこで、教頭が音頭を取って、明日「熊訓練」を行います。

 

先日、GWが始まる前に、職員総出で訓練の進め方の確認をしました。

教頭から入念に説明がありました。

リアル感を出すために、様々な想定が成されています。

「もし、玄関を出たときにクマと遭遇した場合!」

 「この場所でできることとは…。」

「熊を撃退するスプレーを使うときに…。」

 

などを想定した準備をしました。

教頭の説明を聞き、

「おおおお!」

「なるほど…。」

「もし、〇〇なら…?」

 

 職員も真剣でした。

 

熊が出没する理由と、渚滑地域の課題がどうやらリンクしているようです。

ごみです。

何者かが、ごみを捨てていく道があります。明らかに「不法投棄」です。

 

地域の駐在所の方と、現場を観に行きました。

たばこの吸い殻や生活用品が捨ててあります。

「この道に、熊が出るんですよ…。」

そう話す駐在所の方。

 

これらの課題に、地域や学校はどのように取り組むことができるか?

 

 まず、明日(5月8日)、本校体育館で9時15分~10時に、熊訓練を実施します。

天候が悪いようで、外での実施から屋内に変更しましたが、訓練の内容に変更はありません。

どなたでも参加可能ですので、ぜひ、覗きに来てください。

 熊について、みんなで考えましょう!

学級通信というメッセージ便

 毎週末、学級担任から発行される、「学級通信」。

これは、発行することがマストではないのですが、担任の大切な業務になっています。

 

 この学級通信を手にした子供たち、そして保護者の皆さんはどのような心境で目を通しているでしょう…。

 

 昨日、全校朝会があり、その中で「校長からのお話」というコーナーがありました。

そこで私は、「反応(レスポンス)」の話をしました。

 

 先に結論を言うと、「どんなことでも反応が必要であり、自分にできる反応をしてほしい。」

ということでした。

 話を聞いてうなずいたり、手をたたいたり、「なるほど!」「どうして?」などのつぶやきをすることが重要だということです。

 

 今日、校長の机に「学級通信」が配布されていました。

高学年の学級通信には、以下のような記事が掲載されています。

 

 全校朝会で、校長から、「優しいの反対は何だろう。」という話があり、「話をしているのに目が合わなかったり、反応がなかったりすると嫌な気持になるよね。逆に…。(中略)

 この言葉について、学級でも話をしました。

 担任から、『特別なことをするのではなく、自分に置き換えてみたり、相手の立場になって考えたりしながらやるべきことをやることが大切。』と話しました。

 と書かれていました。

 手前みそになりますが、このように、全校児童に話した校長の話を、学級で振り返らせ、担任の味(指導)に生かしていくことがとても大切で、子供たちにどんな思いで、何を伝えたのかを通信に書くことで、メッセージ性が強くなると思います。

 親として、自分の子の担任が、日々どんなメッセージを届けているのか、興味、関心のない保護者はいません。

 

 他の学級通信にも目を通してみますと…、

 「言葉というツールを使って、有意義に効果的にコミュニケーションをとろう。」

という目的で進めている学習活動について紹介がありました。

 その中で担任は、

「たくさんの言葉に触れる機会を増やしていきたい。」

と結んでいます。

 

 学級通信には、担任からのメッセージが必要です。

それが、正解か間違いかではなく、学校として、担任として、一人の人間として、読む人の皆様にメッセージを届けることができたらいいな。と思っています。

 

 担任は、そのメッセージに対する、皆さんの反応を楽しみにしています。

「先生、あの記事読みましたよ。家でも話し合ってみたんだけどね…。」

「先生、あの記事について、賛成するよ。」

「先生、私の考えはね…。」

というものです。

 通信を介して学校と保護者の皆様がつながるといいなと思うのです。

 

 もし、この他にご批判、ご意見ありましたら、校長の私もうけたまわりますので、いつでもどうぞ。

 

 では、GW後半。有意義な休日を…。