2024年9月の記事一覧

学校の強みとは

 【木村のつぶやき…】

 

 先週、今週と多くの来客がありました。

業者の方との調整だけでなく、授業を参観してもらった後に、

渚滑小の教育活動を説明する機会も多かった一週間でした。

 

 私も最後に挨拶する機会があったのですが、

ふと考えたときに、「渚滑小の強み」とは何かを改めて考えてみたのです。

 

これだと思いました。

 放課後、子供たちの情報、今後の指導について話し合っている職員。

休み時間に一緒に遊ぶ職員。

子供がこぼした水を拭く姿。

 

私は、なんでもかんでも子に手を差し伸べる教育が良いとは思っていません。

乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、

子供のできること、乗り越えさせなければならない力を

奪ってしまうことがないように接したい!

と思っています。

 

だからと言って、何もしないことがいいとも思いません。

気付かせるという名の放任になってしまわないか…?

 

そうならないために、子の情報をいかに得るか?

だと思います。

 

保護者の方から、相談される機会が増えています。

それはとてもいいことだと思っています。

 

つまり、

「情報を職員で共有する」

「一人で悩まない」

「聞く耳とアンテナを立てておく」

ためにとっている行動が、

自然と渚滑小の強みとなって、子の教育につながっていると思います。

 

…という挨拶をする機会が多かった一週間でした。

 

学びの必要感を

 中休み、昼休み時間になると決まって校長室にくる子が数人います。

1年生です。

ただ、こんな感じです。

 

校長室のドアを「バ~ン」と開けて、

「校長先生! 虫取りに行こう!」

という感じです。

私は、この子たちのいい遊び相手かもしれません。

でも、そろそろ「礼儀」たるものを

教えてもいいかな?と思っていました。

当然、一年生担任も、コツコツと指導しているのですが、

定着するには、何度も指導する必要があります。

 

今日、同じように校長室に入ってきた子に、次のように話しました。

 

「今日も来たな!

 でもさ、〇〇みたいに入ってこられたら、校長先生びっくりするよ。

 だからさ、今度校長先生を誘うとき、

 ドアを3回ノックしてくれないかな?

 やってみるかい?

 『コン、コン、コン。』

 そう!

 その次に、『失礼します。』って言えば、かっこいい!」

  

 昼休みになりました。

私が校長室で仕事をしていると、

『コン、コン、コン。』

(おっ!? きたな?)

「どうぞ!」

 シーン…。

 

こちらから、

「しつれいしますって言って入ってきていいよ。」

と言うと、

「校長先生! 虫捕りに行きましょう!」

とドアを開けて入ってきました。

 

「覚えていたね。ノック3回」

『へへへ…。』

「よし、行くか!」

「ノック2回は、トイレに入るときだからね。」

『へぇ…。』

 

その後、外へ出て、オニヤンマを捕ったのです。

 

 私はこの話の中で、「学びの必要感」についてお話ししたい。

 

校長室、職員室に入るときに、「ノックをして、失礼します」と言ってから入る。

という指導をするときに、どんなタイミングでどの場面が効果的か?を考えます。

 

礼儀や躾ですから、理屈なしに指導すべきです。

でも、子供目線になって、どうすれば腑に落ちやすいかを考えることも、

「教育」の意義です。

 

今日の一年生にとって、

「一緒に虫取りに付き合ってくれる校長先生を呼びに行く」

という行動をとりたいときに、来室の礼儀を教えることが効果的だと考えます。

それができていないときに、

「あれ? それじゃぁ、いっしょに行けないな。」

と考えさせることも必要です。

 

今まで何度も校長室に呼びに来ていた1年生ですが、

校長先生と虫取りに行きたいという欲求を高めるために、

来室の礼儀について指導するのは待とうと思っていました。

(※自分の欲求を聞いてくれず、違うことで指導されると子は混乱するんです。

  だから、「もういい!」ってことになる…。)

 

このように、子供にとって学びの必要感を感じて学ぼうとしたとき、

インパクトは強いものになり、自分の力として身に付きやすいのです。

 

国語や算数が嫌い 社会が苦手…などという子にとって、

その学習にどうしたら必要感を感じさせられるのでしょうか?

 

それは、「思考のズレをうむ」ことです。

簡単に言えば、

「はて?」「おや?」「思ってたことと違うぞ…。」「試しにやってみたい!」

と思わせること。そうした導入が授業の肝となります。

 

先月の「学校だより」に「学びのスイッチ」について触れました。

学びのスイッチは、人によって異なります。

でも、そのスイッチを探る努力を、教師は続けなければならないのです。

 

…という固い話でした…。

 

【高学年の動きを見た】

昨日、「避難訓練」がありました。

避難するとき、上靴のまま外へ出ます。

そのため、校舎に入るときに上靴の底を雑巾で拭き取らなければなりません。

全校児童が雑巾を使い終えた後の写真がこちら…。

 

雑巾をしまい、玄関を普段通りに戻している5年生の女の子。

全校で使った物の後始末まで、言われなくても考えて行動できること。

「天晴!!!(あっぱれ)」

をあげたい行動でした。

作物を育てることでつながる学び

 昨日、地域の「西部耕地出張所」に中学年の子供たちが出向きました。

6月にもお邪魔したあそこです。

田んぼの稲の観察です。

6月に植えたときは…、

これくらいでしたが、

今回うかがうと…、

こんなに成長していました。

稲穂も垂れてきています。

その成長に驚いている反面、

興味はそこにいる昆虫にも広がっています。

「蜘蛛いる!」

「なんだ? この虫は!??」

といった様子。

 

そんな子供たちに対応してくださるのが、西部耕地の職員なのです。

『お米が成長するのに役立つ昆虫がいるんだ。なんだと思う?』

『トンボや蜘蛛なんだよ。どうしてだと思う?』

と、お米とつなげて昆虫の役割について思考させてくれるのです。

その場に餌となる昆虫がいるから、昆虫が集まるのですね。

理にかなっています。

分げつした稲を抜いてみることにしました。

力いっぱい込めても、抜くことができません。

「こんなに根がしっかりとついているのかぁ。」

簡単に抜けては、雨風をしのぐことはできません。そういう気付きを促したいものです。

抜いた稲には、どれくらいの粒がついているのでしょう。

私は、一粒かじってみました。

お米の甘い味がします。

みんなで写真をとって帰校です。

 

今回もさすがの対応をしてくださった西部耕地のみなさん。

今後、低学年、高学年も観察にうかがいます。

よろしくお願いします。

 

 話は変わりますが、この日の放課後、

引率した担任が校長室へやってきて、こう言うのです。

「あの時、校長先生ならどういう発問や声掛けをしますか?」

 

じつにいいです。

こういう貪欲さがいいです。

 

『もう、この水、いらないんじゃない?』

など、稲作に欠かせない水に視点をあてたり、

『一つの房には同じ米粒(数)がなるのかな?』『一粒ぐらい違うかもね。』

なんていう、問い掛けが面白いかなと思います。

虫に焦点をあててもいいし…。

当たり前、何となく観ている子供たちを「焦点化する問い」「視点を変える問い」が面白いと思います。

観察の目的が何かによりますが。

 

学習の深化の条件の一つに、こうした「発問」「問い返し」があります。

ブログを観ている教員のみなさんなら、3,4年生にどういう問いが子供の思考を深化させると思いますか?

そういう研修も面白いです。

 

【準備する図書司書】

 本日、休み時間に図書司書による読み聞かせがありました。

二枚の写真を比較して観ていただきたい。

A

B

AとBの写真、どちらが先でしょう?

同じ図書室で同じように読み聞かせをしています。

 

お分かりのように、Bが先です。

でも、子供たちがいません。

子供たちに読み聞かせる前に、一人で「読む準備」をしていました。

私と目があって、照れくさそうにしていましたが、

私はこうした「プロ意識」が大好きです。

 

【丁寧さの指導】

低学年の靴箱の写真です。

下段の長靴に注目です。

子供たちは、靴は「しまえばいい」と思いがちですが、

そうではなく、

長靴の袋の先まで気を配ってしまっていることにお気付きですか?

 

玄関にはたくさんの情報がつまっている「玉手箱」だと私は思っています。

担任、学校の大切にしたい指導内容や、

子供たちの家での様子まで察することができます。

 

面と向かった言葉でのコミュニケーション同様、

職員には、こういう場での情報取得をするスキルを向上させてほしいものです。