2025年6月の記事一覧

みんなのつながり(運動会)

「本日もよろしくお願いします!」

合同の職員打ち合わせをしています。

そう、本日は渚滑小中合同運動会です。

心配される天候でしたが、朝は日が差すほどで、これまでの不安定な予報が噓のようです。

登校してきた児童・生徒と最終確認を経て、運動会が始まりました。

参観している保護者の方とも楽しく競技しました。

 

私は、今回の運動会を観ていて、いくつか感じたことがあります。

 

まず、運動会を盛り上げる手段の1つ、「アナウンス」です。

「おおおおっと! 紅組がリードしています!!

 さぁこの後、どのようになるのでしょうか!!???」

実況は、その場の状況を即興で説明する役割です。

当然、原稿が用意されているわけではありません。

 

この実況を楽しんでいる子達です。

「いいねぇ!!」

担当の先生たちも、テント前を通る先生たちも声を掛けてくれます。

声を高く、イントネーション(抑揚)を付けてマイクを握りしめていました。

 

来賓の方々も、

「いいなぁ、このアナウンス。」

と価値付けてくれました。

 

ライブ感を楽しむことができる子たちが増えるといいなと感じました。

 

次の写真。

小学校の競技中、中学生が旗を振って応援してくれています。

私の「眼」にとまった理由が、応援している場所です。

中学生種目の時も小学生が同じように旗を振って応援していたのですが、

競技している場から少し遠い場所でした。

(もう少し近くてもいいかもな…。)

と感じていたのですが、さすが中学生。

競技している状況を見極めて、いい場所で応援していました。

こういう時、先生が、「ここまで出ておいで!」

とか、「まとまって!」

など、指示することが多いものです。

でも、それは指示しなければ判断できていないということの現れ。

「横断歩道を指示されなければ渡れない子」ではいけないのです。

今回、生徒会が中心になって応援グッズを作成したようですが、

ひょっとしたら、応援の仕方、応援する場も考えられるとおもしろそうだと感じました。

 

次の写真。

閉会式、中学校長の挨拶の場面です。

中学生は、つま先をこちらに向けて話を聞いています。

昨年の運動会ブログでも紹介した内容だったと思いますが、

こうした所作を当たり前にしているところに、私は人柄を感じます。

聞く態度が良ければいいと楽観視しているわけではありませんが、こういう態度は、

コミュニケーションの前提、「マナー」だと私は思っています。

 

そして、生徒会長の話です。

生徒会長の挨拶を、私はいくつかの場面で聞いていますが、今回の挨拶もよかった。

 

「運動会のテーマは、『きびきびと活動し、はきはきと反応する』でした。

 私は、きびきびと動くとき、集合時間よりも前に集まったり、整列したりしました。」

 

というもの。

「きびきびというのは『きびきびした動作』だけでなく、時間軸でとらえて、想定して事前に動くことも「きびきび」である」

と受け取りました。

 

閉会式が終わったとき、私は彼女に語り掛けました。

「今日のあいさつ、素晴らしかったね。」

『ありがとうございます! 緊張して少し頭が真っ白になっちゃったんですけど…。』

 

そう答える彼女でしたが、「事象、言葉の本質を自分なりに咀嚼した表現」を聞き、

私の感想を伝えずにはいられませんでした。

 

この「きびきび・はきはき」というキーワードを次のように指導していた学級がありました。

6月6日発行 学級通信「中学年」より抜粋

『運動会に向けた取組が始まってから、「きびきび」について子どもたちに話してきたことがあります。

それは、「集合や並んでと言われて、駆け足で行動するのは50点。

言われなくても、動けているのが100点。本当のきびきびとは何かということです。」

(中略)

誰かに言われるのではなく、自分で考えて行動できる姿に本番でも注目していただきたいと思います。』

 

というもの。

担任が何にこだわり、子供たちにどんな力を身に付けてほしいのかが分かります。

 

優勝した白組の最後の円陣。

そして、準優勝の紅組。

悔しくて涙を流している子もいましたが、どの子もいい眼をしています。

集合写真を撮る場は、「渚滑のアイドルたち」を撮影する保護者の方でいっぱいでした。

 

後片付けを手伝ってくれた保護者の方々、

ありがとうございました。

おかげで、雨に当たることなく、計画した日程を終えることができました。

 

小学校に戻り、先生たちに私は感じていることを素直に伝えました。

その内容は、私と先生たちだけの共有とします。

運動会成功の裏に隠れた先生たちの目立たぬ配慮、

素晴らしかった。

 

今日を迎えるまでに、家庭での影の努力もあったと聞いています。

一人ではちまきを結ぶのは難しいけれど、家の人と結ぶ練習をした子。

放課後、バトンの受け渡しの練習をしたという子。

 

多分、中学生の中にも影の努力を重ねた子がいるはずです。

こうした、目立たないけれど自分に必要だと感じて努力する子たちがたくさんいたから、

当日の運動会につながったのだと思います。

 

なにより、「影のMVP」は、この二人だと私は思っています。

  

 

両校の教頭、「窪田」「松本」です。

なぜ影のMVPだと思うのか、

これも私の心に伏せておきます。

 

今日の実施にあたり、ご来場いただいた地域来賓の方々、

教育長、朝、メッセージを送ってくれた市内校長会の皆様、ありがとうございました。

たくさんの声援と拍手を送ってくれた保護者の皆様、ありがとうございました。

 

いい運動会だった…。

みんな、

「最高!!」

楽しみながら

先日、「ゆくりば」に反復横跳びスペースが登場したことをご紹介しました。

その場に変化が表れています。

朝、休み時間にこの場で運動している子が増えてきました。

反復横跳びは、「体力テスト」の種目の一つです。

ここで勘違いしてはいけないことに、「反復横跳びがたくさんできるようになる」

ことが目的ではないことです。

 

数年前、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」が企画され、全国の5年生、中学校2年生が対象となり、

子供たちの体について調査することになりました。

でも、不思議なことが全国の学校で起こり始めました。

本来、子供たちの体力の状況を調査する目的だったものが、

体力テストの結果を上げることに焦点化され、

種目の練習だけで毎日の体育授業が終わるようになってしまったのです。

 

本末転倒とはまさにこういうこと。

 

楽しく運動する機会を増やす。

そのためのセッティングです。

ホワイトボードには、記録と名前を記入することになっています。

毎日、記名が増えているのです。

やらされる運動ではなく、やりたい運動の1つです。

「学校の廊下に、長い雲梯(うんてい)があれば面白いのに…。」

「階段が滑り台なら、2階に行くのも楽しいだろうな…。」

私はそう思いながら、学校中を歩いています。

 

外の畑をのぞくと、

かわいい看板が設置されていました。

「100%おいしいたまねぎ」

「強くりっぱにそだって!」

子供たちのメッセージが書かれています。

そのメッセージの答えは、自分たちのこれからの活動にかかっているのです。

 

明日の運動会を前に、前日準備を進めました。

てきぱきと進めていきます。

もう少し「挨拶」をたくさんしたかったな…と感じました。

もくもくと進める作業ではありましたが、今後の課題かもしれません。

 

そして、本日最後のつぶやき…。

分かりづらい場面だと思いますが、昨日の総練習後、

子供たちが学校に帰ってきたときの玄関での一場面です。

 

子供たちは傘を手にしていました。

とくに低学年は、「傘を閉じてまとめる」という動作がうまくできません。

そんな子を見たとき、皆さんはどうしますか?

 

私なら、この時担任がとった対応と同じことをすると思います。

「片手に持ってる水筒を持っててあげるから、

 自分でやってごらん。」

 

と言って、じっと見ていました。

そして、時間を掛け、傘を閉じてまとめることができました。

「できた!」

その子はにっこりです。

担任は、

「できたね。よくやったね。」

と価値付けていました。

 

すぐにできない=手を貸す

のが当たり前になっていたり、

手を貸す=優しい

といった風潮に、私は同調しません。

 

この世には頑張ってもできないことがあります。

例えば、目が不自由な人に、目を凝らして頑張って見てみなさい。

これは、指導でもなんでもないこと。

 

体験不足でできないことであれば、やり方を教え、コツに気付かせ、手を貸さないことも指導だと思うということです。

当然、傘のしまい方は事前に教えなければなりません。これは家庭のすべきこと。

「手を貸さないなんてかわいそうだ。」

という人がいるなら、私はこう言うでしょう。

「困っている人に手を貸すことができる人になってほしいから、

 今、手を貸さないんです。」

 

賛否両論あるでしょうが、私はそう思います。

教えるべきこと 見守るべきとき

それをはき違えてしまうと、弱い人間をつくってしまう…。

 

あくまでもこれは私の主観です。

 

明日の運動会、無事実施できますように…。

成功の確信(運動会総練習)

本日の天候は雨。

予定されていた運動会総練習は、雨天プログラムとなり、

渚滑中学校の体育館に会場をうつしました。

各種目の動きと係りの動きを確認していきました。

「よっちょれ」を踊っている子供たちの掛け声がよかった! 

全員が声を出して揃えたらもっといい!

 

踊っているときに、中学生が応援旗を振ってくれています。

この応援旗は、中学校の生徒会が作成した物で、数日前に小学校へ通知が届いていました。

「自分の出番ではない時も、旗を使って自分のチームの応援をお願いします。

 運動会を盛り上げましょう!」

というメッセージです。とてもいいです。

 

全ての種目を終えた後、中学校生徒会長が素敵なコメントを伝えてくれました。

「予定より総練習が早く終わったので、みんなで『しっぽ取り』をしましょう!」

すると、歓声が上がりました。

 

テープでしっぽをつけるサポートを中学生がしています。

準備ができた後、スタート!!

小中児童生徒、先生が入り乱れて走り回っています。

生徒会長が、すべてを仕切っています。いいです。

「〇本以上取れた人は、そのまま立っていてください!!」

 

この後、生徒会長と話をしました。

「とても、素敵な企画ですね。」

『はい、ありがとうございます。先生にもサポートしてもらいました。』

「そうですか。あなたたちがやろうとしたこと、やってみたいこと、どんどん先生たちに発信してもらえるかな?

 小学生と中学生がこうすることって、楽しいと思うから。」

『はい! 分かりました!』

 

素敵な笑顔とはきはきとした返答は力強く、たのもしくも感じました。

きっと、これからの交流をよりよくする提案をしてくれることでしょう。

期待しています。

 

そして、最後に各組に分かれて「振り返り」と「勝どき」をして終了です。

「みなさん! お疲れさまでした! 本番…、がんばるぞ!!」

「おぉおおお!!!」

 

今日の総練習を迎えるまで、各学校では指導と助言を進めていました。

数日前、放送係の指導をしていた場面に遭遇しました。

「…応援お願いします。」

 

「う~ん、もう少し力が入らないかなぁ…。」

アナウンスの言い方に視点を与えています。

「…応援、お願いします!」

「う~ん、もう少しだなぁ…。 「応援」で少し間をあけてみて、

 「お願いします!」を高く言おうか?」

 

変容させるために、気付かせる問いと指導をしています。

声のトーンを高くすると力強く聞こえるものです。

「声を大きく!」と指導するよりも、こうしたほうが効果的です。

 

総練習が終わった後も、学校に戻って、その子のニーズに合わせて振り返りをしています。

放送原稿をもとに、友達と確認しています。

児童代表のあいさつをする児童会長も、

挨拶するときの動きを確認していました。

「今のどうだった?」

「すごくいい! 〇〇してたし…。」

と友達に評価させている点もよかった。

できなかったことができるようになっていた場面がたくさんありました。

でも、もっと焦点化してレベルを上げようとすることが、

その子の学びを深めるのも事実です。

 

私は、総練習をしている間、中学校長だけでなく、中学校職員とも話をしました。

「いやぁ、「よっちょれ」いいですね! 中学生と合同で踊れないですかね!」

と声を掛けてくれたり、

「もっと、こうしたらどうだろう?」

とすぐに変更できることも相談したりしました。

世間話をして、笑ったりした時間も楽しかった。

 

「小中連携」という言葉がありますが、連携という根本は、コミュニケーションの取り方であり、

世間話をすることも含めて、時間と情報を共有することが前提だと感じます。

「こんなことしたら楽しそうじゃない?」

「こんなことできそうじゃない?」

「やってみない?」

という言葉が、子供たちから生まれてきたり、

先生たちがわくわくすることを意図的につなげていくことができれば

「一貫」に代わっていくと思います。

 

子供たちが下校し、これから小中合同で今日の振り返りをする時間を設けます。

 

今日の様子を観ていると、当日の成功を確信することができました。

チーム渚滑、頑張りましょう!!