2024年5月の記事一覧

習慣の大切さ

 6月15日の運動会に向けた練習がスタートしています。

近頃の天候により屋外での練習ではなく、体育館での全体の動きについての確認が多くなっています。

今日は、「綱引き」と「リレー」の並び方と動きについて確認していました。

 

私は、この時の子供たちを観察する視点として、「返事」を見ていました。

担当の教員が、

「名前を呼ばれたら、こちらに並んでください。では、〇〇さん。」

 

この時に、返事ができているか?

を見ていたのです。

 

でも、合格点はあげられませんでした。

 

私はある市の病院で、このような張り紙を目にしました。

「名前を呼ばれて返事がなければ、次の方を優先します。」

この対応に、賛否両論あるだろうと思いましたが、この張り紙の背景にどんなことがあったのか想像してみました。

「きっと、何度も名前を呼んだのに反応がなかったんだろうな…。」

「もし、耳の不自由な方がいたらどうしたらいいんだろう…。」

 

でも、やっぱり大切にしたい習慣の「返事」

 

ここにいます!

分かりました!

そういう意味のある返事を、元気よくできる子供たちでいてほしいです。

 

よい習慣を身に付けるには時間が掛かります。

悪い習慣が身に付くにはあっという間です。

 

日頃から意識させることが大切なのです。

学ぶのは子だけじゃない

 先日、「提案授業」をしました。

渚滑小学校で大切にしたいことを、授業でどのように子に身に付けさせるか?

ということです。

 

 「教わる」のではなく、「自分たちで学ぶ」という視点で授業が展開していきます。

 本校は複式学級であるため、担任が交互に学年を渡って指導します。

担任が隣の学年についている時間は、自分たちで学習を作って(調整)していく力が必要です。

 

今回の提案授業では、

どのように学習に必要感をもち自分たちで授業を進めていくか?

子供たちがどのようにアウトプット(自分の考えを表現)するか?

がテーマでした。

 

 中学校の先生も多く参観に来てくださり、感想や助言を述べていただきました。

 

提案授業ですから、担任団は、その授業の要素を自分の学級でも応用できるか?

使えそうなことはないか?

を考えます。

 

学ぶのは子だけじゃありません。

先生も悩み、考えています。

 

子も大人も日々、自分を磨く集団でありたいです。

 

 

子のつぶやき

 下校する前に校長室をノックする子がいました。

「失礼します。校長先生、さようなら。」

 

 私は、こうした子に必ず返す言葉があります。

朝の挨拶をしに校長室を訪ねた子には、

「元気ですか?」

『はい。』

「いいね。どれくらい?」

『えっ!?』

 

 どれくらい元気か?と質問されたことなどない子は、一瞬動きが止まります。

でも、脳みそはフル回転で、どう答えようか考えているのです。

「このくらい。」

と言って、親指と人差し指で距離を示したりします。

 

中には、

「校長先生の背くらい!」

と言ったりします。

 

 下校前に校長室にやってくる子には、

「今日は、楽しかったかい?」

『はい!』

「何が楽しかったの?」

 

と尋ねます。

 同じ子が毎日やってきて、その問いに工夫して答えようとします。

そこが楽しいのです。

 

 昨日、帰りに校長室にやってきた子に、

「楽しかったかい?」

と尋ねると、楽しかったと答えました。

すると、

『校長先生、挨拶したらいろんな話ができていいと思う。』

と話すのです。

「何がいいの?」

と重ねて尋ねると、

 

『あいさつの後に、校長先生と話をするから、面白い話ができるんだもん。』

と答えるのです。

 

挨拶をする目的の一つです。

「おはようございます。」「今日はいい日になるといいね。」「さようなら。」「また明日も元気で会おうね。」

そんな会話が続けば素敵ですよね。

 

先日、学校医が帰り際に、

「渚滑の子は、いいね。挨拶がしっかりとできる。」

とおっしゃいました。

挨拶の様子を通して、渚滑小学校をそのように評価してくださいました。

 

子どものつぶやきや行動の中に、「本質」を再確認させてくれることがあります。

縁の下の力持ち

 人は、目につきやすいもので評価しがちです。

それは当然です。

 でも、形に見えない頑張りや力があるから、自分の生活が支えられていることを理解することも大切です。

気付くための「眼」を鍛える場所の一つが学校ですが、逆に学校はたくさんの人々の力で成り立っています。

 

 たくさんの業者の方、PTAの方、学校運営協議会の方、地域の方、委員会の方…。

挙げればきりがりません。

 先日、グラウンドにある「気になっていた物」を撤去してもらいました。

 タイヤです。

グラウンドの隅に数十本埋められていたタイヤですが、不安定になっていたためどうにかならないか考えていました。

 そこで、お願いしたのがPTAのお父さんでした。

相当な重量があるために、手掘りでは何時間、何日間かかるか分かりません。

 

 重機を持っているお父さんに、

「なんとかなりませんかね…。」

とつぶやいたところ、

「いいよ!」

という快い返事。

 すると、翌日に動いてくれたのです。

 重機を持ってきて、スイスイ抜いていきます。

抜いたタイヤを軽トラックで体育館裏へ運びます。

 

 この時、事務員と公務補が汗だくで手伝ってくれました。

私もスーツを着替えて、泥だらけになって作業しました。

 

 2時間弱で、全て抜き終わったのです。

作業後に、冷たい飲み物がのどにしみました。

「うまい!」

こういう思いができたのもよいよい。

 

 子ども達の安全確保のための作業。

こうした「縁の下の力持ち」の存在のおかげで、学校は成り立っています。

学習の深化のために

「初めまして…、〇〇です。今、一番欲しいものは…。」

初対面の他校との児童同士が、クロームブックの画面越しに自己紹介をしています。

 

今日、上渚滑小学校の6年生と、オンライン交流学習をしました。

 

 国語のインタビューの学習です。

インタビューを通して、それぞれの学校を比較し、気付かなかった自分の学校を知るという目的があります。

オンラインでつながる前に、楽しみな気持ちと、不安な気持ちが入り混じっているようでした。

 

 オンラインがつながって、自己紹介によるアイスブレイク。

そして、子供たちが学校についての質問をしていきます。

「渚滑小学校は、みんな仲がいいのですか?」

 

その質問に、どう答えていいのか悩んでいました。

仲がいいということをどのような言葉で伝えるかです。

 

『う~ん、仲がいいです。みんなと一緒に遊んでいるから…。』

「・・・。」

 

答えの後に「間」があるものの、こうしたやり取りが続きます。

 

少人数での学習のよさもありますが、「多様な考え方の交流」という視点では、人数が多い方がよいです。

授業の進め方や意見交流に改善点はあるものの、

「まず、やってみよう!」

という、両校の先生たちの意気込みがうれしく思いました。

ぜひ、継続して「効果的な端末利用」を進めたいものです。

 

 話は変わりますが、上渚滑小学校の6年生担任は、私が前任校で一緒に働いていた教員でした。

上渚滑小学校の教員として、学校を牽引している姿を目の当たりにして、彼を誇らしく思い、うれしく感じました。

 

子の可能性を伸ばす手立てを、共に試行錯誤する仲間でありたいと感じています。