2024年6月の記事一覧

なごやかな気持ち

 明日の運動会に向けて、「前日準備」をしました。

小中学校の児童生徒が、声を掛け合い、なごやかに時間が過ぎていきました。

途中、中学校の教員が、

「せっかく(テントを)立てたのに、どうして脚をたたんじゃうんだろうね?」

と子供たちに質問している場面がありました。

『えっ?』

『雨が降るから?』

 

「風が吹いて飛んでいったらどうなる?

 危険を防ぐためだよ。」

 

その対応をする意味付けをしていました。

「考えさせる」「学ぶ」場面を設定することは、意識していればいつでも、どこででもできます。

 

最後に、石拾いをして、グループごとに集まって解散しました。

明日の準備は万全です。

 

校舎へ戻る途中、高学年の女の子が、

「校長先生、これあげる。」

と言って、小さな花を差し出してくれました。

『この花をきれいとか、かわいいと思える自分って、いいと思わない?』

とたずねると、

その女の子は、にっこり笑って、

「はいっ!」

と言いました。

『これ、押し花にするね。』

 

 運動会前日は、とってもなごやかな気持ちです。

明日、みなさんとお会いできることを楽しみにしています。

 

 

素敵な学び

 今日のブログは、素敵な学びを2つ紹介します。

少々長くなります。

 

素敵な学び①

運動会総練習を終え、今日の練習(指導)の目的は、

その振り返りをもとに、子供たちに考えて行動するように仕向ける一日でした。

まず、「リズム」の中で、統一するとかっこよくなる視点を子供たちに気付かせ、

そこをバディ(パートナー)と確認しています。

確認する視点さえ理解し、学びに「必要感」を感じることができれば、子供たちはどんどん勝手に動きます。

 

その様子(子供の自主性)が顕著に表れ、垣間見えた場面が次の種目の練習でした。

まず、集合地点までの移動もキビキビと。

「私よりも早く動きなさい。」

と言って担当教員は、子供たちに素早く動く必然性と興味をもたせています。

 

そして、

昨日の総練習を振り返らせ、

「さて、今日はどんな練習をしたい?」

と問い掛けます。

『作戦会議をしたい!』

「へぇ…、練習試合しなくてもいい?」

と言って、子供たちに作戦会議をする視点を見付ける活動を促します。

 

そして、練習試合を一度やってみた後に、作戦会議が始まりました。

その作戦会議の方法はさまざまで、話し合い形式を選んだり、

実際に棒を持ってやってみたり…。

 

解決の方法はさまざまでいいのです。

 

そして、その後、子供たちから、

「ちょっと、実際にやってみていいですか?」

というつぶやきが生まれました。

指導者が、「やりなさい。」と言わずとも、

子供が「必要感」をもち、「動き方」が分かっているのなら、必然的に動き出すことが分かります。

そして、その裏に、担当教員の仕掛けがありました。

「今日は、練習試合は1回しかしないからね。」

という声掛け。

 

意図的にその声を掛けたようです。

 

子供の学力、思考、判断、表現を向上させる条件の1つに、

「活動に制限を設定する」

ことがあります。

例えば、自分の考えを〇文字以内で書きなさい。

とか、〇秒で動きなさい。

ということです。

 

「今日は、練習試合は1回しかしないからね。」は、「もっとやってみたい!」

と思うための、「制限」の指示でした。

 

渚滑小学校では、どの学習においても、「課題の設定」にこだわっています。

指導者が、「この時間はこれを勉強するよ。」と言わずに、子供たちが、

「この時間はこの勉強をしたい!」

「こんなゴールを目指したい!」

と思える声掛け、導入をしようということです。

 

教科の学習だけでなく、行事や児童会活動の中でも、そういうスタンスで臨んでいます。

 

素敵な学び②

昼からの時間に、オホーツク総合振興局の「西部耕地出張所」の方々と、

「田植え」体験学習をしました。

雨の天候が心配であり、気温も昨日から10度以上も下がっていることを鑑み、

残念ではありましたが、裸足での田植えは断念しました。

 

植え方の説明を聞いているときの子供たちは真剣です。

早速、体験を始めました。

植え方にもコツと知恵があります。

こうした知恵と工夫に気付かせることも大切な学習です。

軍手をはめていた子も、脱ぎだして植えています。

数十分の体験でしたが、規則正しく植えました。

その後、室内に移動して、野菜クイズやお米の育ちについて学習を深めました。

担当してくださった職員の方々の説明は分かりやすく、子供たちのつぶやきも上手に拾ってくれました。

子供たちの聞く態度もよく、

反応やつぶやきも、

「うおおおお!」

「すげぇ!」

「パチパチパチ!」

といった感じ。

 所長も、

「渚滑小の子は、元気で反応がいいですね。」

と評価してくださいました。

 

最後に、代表児童が感謝の言葉を…。

私も一言・・・。

 

「今日の給食、あなたたちが育てた野菜? お米?

 それをあなたたちの口に運ぶまでには、たくさんの人の手がかかっているんですね。

 だからあなたたちがすぐにすべきことがあるんです。」

「ありがとうって言う!」

「いただきますっていう!」

 

「なるほどね。いただきますって、育ててくれた人、作ってくれた人、命に対していう言葉なんだね。」

と話して学習をくくりました。

 

対応していただいた「西部耕地」の職員の方々は本当に素敵で、

汚してしまった玄関をすぐにきれいにしていたり、

植え残った苗を、すぐに植えていたり、

子供たちにタオルを用意してくださったり、

チームとして役割を自覚している方々で、

とにかく、みなさんの表情が素敵でした。

 

運動会を前に、子供たちの体調を気遣ってくださり、

そして、こちらの要望にも耳を傾けていただき感謝申し上げます。

来年こそは、泥んこ体験を…。

苗の観察の際もよろしくお願いいたします。

 

「ブログ、楽しみに読んでますよ。」

と教えてくれた職員の方と笑ってお別れしました。

 

素敵な学びをありがとうございました。

 

今日一番の光景

 今日、運動会の総練習を行いました。

これまで悪天候が続き、体育館での合同練習をするなど、屋外で競技を通した練習は初でした。

 

本番さながらの総練習でしたが、職員も当日をイメージする大切な時間となりました。

すべての種目を目にして、私が今日一番、心に残ったシーンがありました。

 

 これは何かというと、

小学校児童が「リズム」を終え、退場後に児童テントに戻るときの様子です。

写真ではうまく伝わらないのですが、

次の種目の準備をする中学生と、フィールド内で入れ替わりするときです。

すれ違った小学生たちに、

「よかったよ!!!」

「がんばったね!!!」

「いぇ~い!!」

「パチパチパチ!!!(拍手)」

と生徒たちが声を掛け、褒めてくれたのです。

それも、一人や二人ではなく…。

 

自分たちの行動を認めてくれた小学校の子供たちもいい顔をしています。

中学生のさりげない行動がとても素敵でした。

一緒に参観していた教頭とも、思わず、

「いいな、これ。」

と共感しました。

 

 放課後、小中合同の反省会議を開き、先生たちが協議しました。

「もっと、こうできたらいい。」

と、本番を3日後に控え、これからできることを模索していました。

 

こうして、本番に臨む渚滑小中合同運動会。

お楽しみに…。

子供たちの学びと職員の動き

 運動会の特別日課期間ではありますが、日常の教科指導も怠ってはいません。

 

1年生の算数では、「10の合成」について、学習していました。

そろばんを用いて、視覚的に10の合成(1と9、2と8…)を理解していきます。

1年生は入学して3か月目に突入ですが、学習を頑張っています。

 

 

1年生は、黙々と自学習できるようになってきています。

 

 5年生教室を覗くと、社会の学習をしていました。

すると、ある子が私に気付き、

「校長先生は、戦争に行ったことある?」

と尋ねてきました。

 

『ん? どう思う?』

と聞き返すと、

「1940年の学習してるんだけど、戦争してたんだよ。」

『へぇ…。 校長先生はねぇ、1970年生まれなんだよ。』

と答えると、

「そうかぁ、じゃぁ、戦争に行ってないんだね。えっと…、校長先生が生まれる30年前かぁ…。」

と、西暦を根拠に時代を抑えていました。

 

渚滑でも戦争の影響を受けたのかなぁ…?

なんていう問い返しをしても学習が広がりますね。

 

その後、3,4年生の教室に向かうと、とても面白い場面に出会いました。

国語の時間、「主語、述語の関係」について学んでいました。

すると、ある子が、

「くどくてん に気を付けて読むんですね。」

と言うのです。

すると担任が、

「ん? くどくてん?」

と突っ込みます。

 

子供たちは、「句読点」の読み方に「?」だったのです。

ここで教師がはりきって教えてはいけません。

「ん? なんて読むんだろうね?」

ととぼけてみせるべきです。

 

すると、教室全体が「えええ!??? なんて読むの???」という雰囲気になりました。

そうです。自分たちで調べさせるのです。

クロームブックを使ったり、国語辞典を使って自分で苦労させるべきです。

 

その後、「くとうてんっていうのかぁ!」

と喜びに沸きます。

それだけでなく、

「。は句点、、は読点、だから合わせて句読点っていうのかぁ!!」

と新たな学びを自分で身に付けるのです。

 

老子の格言に、

『授人以魚 不如授人以漁』という言葉があります。
「飢えている人がいるときに、魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか。」という意味です。

 要約すると、

「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」という考え方です。

 

これは、学習でも通ずる考え方です。

答えを教えるのではなく、答えの導き方(学び方)を教える(自分で得る)ということです。

知識と学び方(思考・判断・表現)のバランスが大切なのですね。

 きっと、子供たちは、「句読点」の読みと意味を忘れないで、次の学習につなげていくことでしょう。

 

 校長室に戻り、外を眺めると、

棒をもった公務補が、何やら探しものをしています。

 「スズメバチが巣を作っていないか、確認しています!」

とのこと。

 危機管理がばっちりです。いわずとも自分ができる仕事を見付けて動くことができることに、

敬意をもちました。

 

 敬意といえば…、

天気が悪く、運動会の準備も予定通り進まないのですが、

中学校の先生から、

「グラウンドにテントを張ろうと思います。」

と連絡が入りました。

 

 すぐにグラウンドに向かうと、

 数人の先生が、準備していてくれました。

「ありがとね! 小学校からも来るから。」

というと、一斉にテント建てが始まりました。

 

 先のブログでもお伝えしたように、

私は、「やるよ!」

の担当の言葉に一斉に集まり、一斉に動くという組織体が大事だと思うのです。

 

こうした動きをみると、嬉しくなりました。

 

 窓の外では、セミが鳴き始めました。

紋別の短い夏が始った感じがします。

取り組み方と取り組む姿勢

 今週、中学校との合同練習が本格的に動き出しました。

天気が悪かった日には、体育館で移動の確認をしたり、

児童生徒の係打ち合わせをしたり…、

久しぶりに快晴だった今日は、綱引きやリレーの動きをしてみたりしました。

 その中で、習慣となった様子(姿)を見ました。

 

分かりますか?

演台に立っている人にへそを向けて立っています。

これは、指示したわけではありません。

教頭に確認してみると、

『高学年からずっとこうして聞く態度を育てていました。』

とのこと。

 

4月某日のHPでも紹介しましたが、話す子を育てるには、聞く子を育てる必要があります。

その後、教室で同じような場面がありました。

こうした習慣は1日にして為らず。

まして、形ばかりでなく、興味関心をひく話をしなければこうはなりません。

 

 別話です。

中学校のグラウンドで練習していると、中学校の先生がやってきました。

小学校競技の道具を確認しに来たそうです。

「私は道具係なので、使うものを確認したくて…。」

というのです。

ありがたいことです。

 

 職員の準備、調整は、子供たちのいい眼・いい顔を観るためでもあります。