学校からのお知らせ

学校の強みとは

 【木村のつぶやき…】

 

 先週、今週と多くの来客がありました。

業者の方との調整だけでなく、授業を参観してもらった後に、

渚滑小の教育活動を説明する機会も多かった一週間でした。

 

 私も最後に挨拶する機会があったのですが、

ふと考えたときに、「渚滑小の強み」とは何かを改めて考えてみたのです。

 

これだと思いました。

 放課後、子供たちの情報、今後の指導について話し合っている職員。

休み時間に一緒に遊ぶ職員。

子供がこぼした水を拭く姿。

 

私は、なんでもかんでも子に手を差し伸べる教育が良いとは思っていません。

乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、

子供のできること、乗り越えさせなければならない力を

奪ってしまうことがないように接したい!

と思っています。

 

だからと言って、何もしないことがいいとも思いません。

気付かせるという名の放任になってしまわないか…?

 

そうならないために、子の情報をいかに得るか?

だと思います。

 

保護者の方から、相談される機会が増えています。

それはとてもいいことだと思っています。

 

つまり、

「情報を職員で共有する」

「一人で悩まない」

「聞く耳とアンテナを立てておく」

ためにとっている行動が、

自然と渚滑小の強みとなって、子の教育につながっていると思います。

 

…という挨拶をする機会が多かった一週間でした。

 

学びの必要感を

 中休み、昼休み時間になると決まって校長室にくる子が数人います。

1年生です。

ただ、こんな感じです。

 

校長室のドアを「バ~ン」と開けて、

「校長先生! 虫取りに行こう!」

という感じです。

私は、この子たちのいい遊び相手かもしれません。

でも、そろそろ「礼儀」たるものを

教えてもいいかな?と思っていました。

当然、一年生担任も、コツコツと指導しているのですが、

定着するには、何度も指導する必要があります。

 

今日、同じように校長室に入ってきた子に、次のように話しました。

 

「今日も来たな!

 でもさ、〇〇みたいに入ってこられたら、校長先生びっくりするよ。

 だからさ、今度校長先生を誘うとき、

 ドアを3回ノックしてくれないかな?

 やってみるかい?

 『コン、コン、コン。』

 そう!

 その次に、『失礼します。』って言えば、かっこいい!」

  

 昼休みになりました。

私が校長室で仕事をしていると、

『コン、コン、コン。』

(おっ!? きたな?)

「どうぞ!」

 シーン…。

 

こちらから、

「しつれいしますって言って入ってきていいよ。」

と言うと、

「校長先生! 虫捕りに行きましょう!」

とドアを開けて入ってきました。

 

「覚えていたね。ノック3回」

『へへへ…。』

「よし、行くか!」

「ノック2回は、トイレに入るときだからね。」

『へぇ…。』

 

その後、外へ出て、オニヤンマを捕ったのです。

 

 私はこの話の中で、「学びの必要感」についてお話ししたい。

 

校長室、職員室に入るときに、「ノックをして、失礼します」と言ってから入る。

という指導をするときに、どんなタイミングでどの場面が効果的か?を考えます。

 

礼儀や躾ですから、理屈なしに指導すべきです。

でも、子供目線になって、どうすれば腑に落ちやすいかを考えることも、

「教育」の意義です。

 

今日の一年生にとって、

「一緒に虫取りに付き合ってくれる校長先生を呼びに行く」

という行動をとりたいときに、来室の礼儀を教えることが効果的だと考えます。

それができていないときに、

「あれ? それじゃぁ、いっしょに行けないな。」

と考えさせることも必要です。

 

今まで何度も校長室に呼びに来ていた1年生ですが、

校長先生と虫取りに行きたいという欲求を高めるために、

来室の礼儀について指導するのは待とうと思っていました。

(※自分の欲求を聞いてくれず、違うことで指導されると子は混乱するんです。

  だから、「もういい!」ってことになる…。)

 

このように、子供にとって学びの必要感を感じて学ぼうとしたとき、

インパクトは強いものになり、自分の力として身に付きやすいのです。

 

国語や算数が嫌い 社会が苦手…などという子にとって、

その学習にどうしたら必要感を感じさせられるのでしょうか?

 

それは、「思考のズレをうむ」ことです。

簡単に言えば、

「はて?」「おや?」「思ってたことと違うぞ…。」「試しにやってみたい!」

と思わせること。そうした導入が授業の肝となります。

 

先月の「学校だより」に「学びのスイッチ」について触れました。

学びのスイッチは、人によって異なります。

でも、そのスイッチを探る努力を、教師は続けなければならないのです。

 

…という固い話でした…。

 

【高学年の動きを見た】

昨日、「避難訓練」がありました。

避難するとき、上靴のまま外へ出ます。

そのため、校舎に入るときに上靴の底を雑巾で拭き取らなければなりません。

全校児童が雑巾を使い終えた後の写真がこちら…。

 

雑巾をしまい、玄関を普段通りに戻している5年生の女の子。

全校で使った物の後始末まで、言われなくても考えて行動できること。

「天晴!!!(あっぱれ)」

をあげたい行動でした。

作物を育てることでつながる学び

 昨日、地域の「西部耕地出張所」に中学年の子供たちが出向きました。

6月にもお邪魔したあそこです。

田んぼの稲の観察です。

6月に植えたときは…、

これくらいでしたが、

今回うかがうと…、

こんなに成長していました。

稲穂も垂れてきています。

その成長に驚いている反面、

興味はそこにいる昆虫にも広がっています。

「蜘蛛いる!」

「なんだ? この虫は!??」

といった様子。

 

そんな子供たちに対応してくださるのが、西部耕地の職員なのです。

『お米が成長するのに役立つ昆虫がいるんだ。なんだと思う?』

『トンボや蜘蛛なんだよ。どうしてだと思う?』

と、お米とつなげて昆虫の役割について思考させてくれるのです。

その場に餌となる昆虫がいるから、昆虫が集まるのですね。

理にかなっています。

分げつした稲を抜いてみることにしました。

力いっぱい込めても、抜くことができません。

「こんなに根がしっかりとついているのかぁ。」

簡単に抜けては、雨風をしのぐことはできません。そういう気付きを促したいものです。

抜いた稲には、どれくらいの粒がついているのでしょう。

私は、一粒かじってみました。

お米の甘い味がします。

みんなで写真をとって帰校です。

 

今回もさすがの対応をしてくださった西部耕地のみなさん。

今後、低学年、高学年も観察にうかがいます。

よろしくお願いします。

 

 話は変わりますが、この日の放課後、

引率した担任が校長室へやってきて、こう言うのです。

「あの時、校長先生ならどういう発問や声掛けをしますか?」

 

じつにいいです。

こういう貪欲さがいいです。

 

『もう、この水、いらないんじゃない?』

など、稲作に欠かせない水に視点をあてたり、

『一つの房には同じ米粒(数)がなるのかな?』『一粒ぐらい違うかもね。』

なんていう、問い掛けが面白いかなと思います。

虫に焦点をあててもいいし…。

当たり前、何となく観ている子供たちを「焦点化する問い」「視点を変える問い」が面白いと思います。

観察の目的が何かによりますが。

 

学習の深化の条件の一つに、こうした「発問」「問い返し」があります。

ブログを観ている教員のみなさんなら、3,4年生にどういう問いが子供の思考を深化させると思いますか?

そういう研修も面白いです。

 

【準備する図書司書】

 本日、休み時間に図書司書による読み聞かせがありました。

二枚の写真を比較して観ていただきたい。

A

B

AとBの写真、どちらが先でしょう?

同じ図書室で同じように読み聞かせをしています。

 

お分かりのように、Bが先です。

でも、子供たちがいません。

子供たちに読み聞かせる前に、一人で「読む準備」をしていました。

私と目があって、照れくさそうにしていましたが、

私はこうした「プロ意識」が大好きです。

 

【丁寧さの指導】

低学年の靴箱の写真です。

下段の長靴に注目です。

子供たちは、靴は「しまえばいい」と思いがちですが、

そうではなく、

長靴の袋の先まで気を配ってしまっていることにお気付きですか?

 

玄関にはたくさんの情報がつまっている「玉手箱」だと私は思っています。

担任、学校の大切にしたい指導内容や、

子供たちの家での様子まで察することができます。

 

面と向かった言葉でのコミュニケーション同様、

職員には、こういう場での情報取得をするスキルを向上させてほしいものです。

熱い、厚い、暑い一日

 紋別地域も暑い一日となりました。

渚滑小学校では、いろいろなイベントがあり子供たちの気付きの学びとなりました。

 

【赤い稲妻軍団来校!】

日本大学陸上部長距離の十数名の部員がやってきました。

道東で合宿をしている中、子供たちと一緒に汗を流すために来てくださったのです。

一緒にジョギングをした後、

脚の運び方をレクチャーしてくれます。

小規模ならでは、マンツーマン指導です。

 

箱根駅伝で走った部員や、

北海道出身の部員、

卒業後は教員になりたい部員もいます。

特別コーチに訊いたところ、

「こうして子供たちに指導する機会はないので、

 大変貴重です。」

とのこと。

 

明日、東京へ帰るそうです。

こうしたつながりができると、日本大学陸上部を応援したくなります。

ぜひ、箱根駅伝で勇姿を見たいものです。

 

【チョイスクリーンデイ】

この名の通り、掃除する場を自分で選択して掃除する日のことです。

毎週金曜日、自分が掃除すべきだと思う場を選び、掃除をしています。

この子たちは、靴箱の中の土を掃除しています。

この子は、一階廊下をチョイスしています。

「どうして、この廊下を選んだの?」

と質問すると、

『この廊下の端のごみが気になったので…。』

とのこと。

 

高学年ですから、人通りが多い場をきれいにするために「チョイス」する意図があってもいいでしょう。

なぜそこをチョイスするか?です。

「なんとなく…。」

ではなく、目的をもたせて掃除をすることはとても大切なことです。

 

この子は…、

校長室をチョイス。

来客のテーブルを水拭きしたり、

ドアノブを拭いたり…、

ラックを拭いた後、物の置き方にまで気を配っています。

「どうして、校長室をチョイスしたの?」

『いやぁ、校長室って徹底的にきれいにする方がいいと思って。

 お客さんもくるし、

 なんたって、校長先生の部屋だから…。』

 

「そうかぁ、ありがとね。そう思ってくれると嬉しいよ。

 また、頼むね。」

 

『はい!!』

 大げさな活動じゃなく、普段している活動の目的や視点を見直すだけでも、

本質を鍛えることができるものです。

 「やらなければならない掃除」「勤労の掃除」だけでなく、「思考して取り組む掃除」に変換する

取組。面白いと思います。

 

【生活目標の取組】

本校の玄関を通ると、目の前にこのホワイトボードが置いてあります。

これは、生活目標を意識付け、その目標に対して自分がどう自己評価しているか、

他者からどう評価されているかを可視化するボードです。

 

今月の生活目標は、「健康によい生活をしよう。」です。

健康によいとは?

そのイメージを例として養護教諭が、こんな書き込みをしました。

「ランニングしてます。」

 

この書き込みに、職員も子供たちもどんどん書き込みます。

この書き込みが、連絡掲示板のようになっていますが、

これはこれで価値があると思っています。

ある人の書き込みに、

「すごいですね。」

というような、返事の書き込みがあるので、チャット感覚でどんどん書き込みが増えていくのです。

 

今日、このような書き込みを見ました。

思わず、「たしかに。」とつぶやきました。

 

【いやぁ、嬉しいなぁ…。】

先日、夏休み自由研究発表会をしたことをお伝えしましたが、その続編です。

高学年の作品に、「アニメーション」を作成した子がいました。

発表会の時に見落としてしまった私は、

「作品、観てみたいなぁ。」

とその子につぶやきました。

 

すると、

『いいですよ。』

と言って、クロームブックを用意してみせてくれたのです。

すると周りに多くの子供たちが集まり始めました。

「いやぁ、すごいなぁ。」

「どうやって書いて動かすの?」

など、そこで交流が始まりました。

『この作品で〇〇コマ必要なら、映画とかのアニメーションって、

 何枚必要なんだろう…。』

という、気付いたことが発展して、新たな疑問が生まれていました。

 

ひとしきりその会話をみんなでした後、

製作者の子がぽつり。

 

「いやぁ、こんなに反応してくれると嬉しいなぁ。」

子供たちの反応をつなぐと、「肯定感」にもつながります。

 

【収穫の反応はいかに!】

今日、畑に植えた作物を全校児童が収穫しました。

 実は、私たち職員は、この収穫に向けて指導内容を考えていました。

 先の学校ブログで私から職員に、

「収穫祭をこのまましていいものか?」

と投げ掛けた記事があったかと思います。

 あの後、職員は収穫量を想定し、

「何に気付かせ、今後の活動にどうつなげるか?」

と、話を進めていました。

 

 今日の収穫をしてみたとき、

子供たちの反応は、二つでした。

「うわぁ!!! たくさんとれた!」

と、

「えっ!? これで収穫祭できるの?」

です。

これから、私たちは子供たちにどんな価値付けができるのか、

見せ所かもしれません。

 

 以上、本日の渚滑小学校の様子でした。

大変長くなりました。

 熱い、厚い、暑い一日だったことが伝われば幸いです。

子供たちもすごいけど、職員たちも大したもんです。

 

新しい匂い・子の学び

 今日、保護者の方々を招いて、「自由研究発表会」を開催しました。

休み時間に、「縄跳び検定」の様子も参観いただきました。

 実は、体育館床の改修工事が終了し、無事検査と検定を通過したことで、

使用許可が出た真新しい体育館での検定となりました。

 子供たちも早く体を動かしたくて仕方なかったようで、

うれしい笑顔でいっぱいの運動となり、その様子を披露することができたのです。

 この体育館でたくさん体を動かしてほしいものです。

改修にあたり、業者の方、委員会には大変お世話になりました。

大切に使わせていただきます。ありがとうございました。

 

 その後、会場を2つに分け、発表会を開始しました。

前方の電子黒板を利用して説明したり、

クロームブックでプレゼンをしたり、

伝える相手を意識した説明をしています。

 

 感想を述べたり、質問をしたりしながら他と関わっていきます。

 

 私は講評として、2つのことを話しました。

「話すこと・聞くこと」に関する内容です。

 

 『今日、皆さんが伝えたい相手は誰ですか❓ そう、この教室にいるおうちの人や、仲間たちですよね。

伝えたい相手がいるのだから、準備した原稿だけを見るのではなく、

目線を配ってほしいなと思っていました。

すると、目線を意識している人が数人いました。

 アドバイスがあります。

今回、たくさん質問したり感想を発言した人がいましたが、

これからは、質問の答えに簡単に納得しないで、さらに質問を重ねてみてください。

すると、次々に情報がつながって、より相手の伝えたいことが見えてくるでしょう。』

 

こうした活動には、必ず振り返りが必要であり、振り返る視点を与えることで、

今後の活動に生かすことができるものです。

 

職員でも発表会について振り返りをして、今後の教育活動に生かしていこうと思います。

今回の作品発表会、欠席者なく全員が発表できたことも大きな価値だったと思います。

 今日、参観された保護者の皆さんはどんな感想をおもちでしょう?

今度、担任に話してみてください。