学校からのお知らせ
遊びから学びの連鎖
最近、虫網を持って野原を駆け回る子を見なくなったなぁ…。
…と思っていたここ数年。
渚滑小に赴任するとその考えが飛んでいきました。
休み時間、私が廊下を歩いていると、一年生の子が、
「校長先生…、いっしょに虫取りにいかない?」
とつぶやいてきました。
「お! いいねぇ!!」
早速、虫網を手に取って外へ出ました。
快晴の暑い日中でしたが、私も数年ぶりに手にする虫網に興奮気味。
蝶を追いかけ、グラウンドを行ったりきたりしています。
その移動距離と言ったら、結構なものです。
短距離走を何本もするよりも、虫を追いかけたほうが体力がつきます。
つかまえたぁ!!
興奮した男の子の叫び声が聞こえました。
でも、網に入った虫をそのあとどうしたらいいのか分からず、
逃げてしまいました。
あぁ~…。
「捕った後ね、網をこうしたら逃げないよ。」
へぇ…!!
こうした体験は忘れないものです。
そして、捕まえた蝶を誰かに見せたいのです。
「すごいねぇ~、なんていう蝶なんだろう…。」
その言葉に、学びの連鎖がスタートします。
図書室へ行って図鑑を持って教室に行きます。
こうした遊び、活動を通して「危険」「時間を守る」「調べてみる」「仲間と協力する」などといった
「かかわり方」「学び方」を理解していくのだと思います。
校長先生! また行こうね!!
休み時間に誘ってきたときの表情とは明らかに変わっていました。
裏話…。
私が子供たちと一緒にグラウンドで虫を追いかけているとき、
何やら、お客様がやってきました。
「職員室に行ったら、『校長先生はグラウンドに…。』と言われたので…。」
と言って虫網を持った大男は、そのお客様から名刺を渡されました。
私は、『すいません、こんなところで…、すいません…。』
と平謝り。
するとそのお客様は一言…。
「校長先生…、楽しそうでいいですね。」
汗だくになっている私は、
『ですね。楽しいですよ。』
と答えたのでした。
スポットクーラー稼働!
公務補、事務員の活躍で、子供たちの学びを保障できました。
子の言葉
7月1日~19日までの期間、今年度最初の「学校評価アンケート」をお願いしています。
御覧のように、今年度からネット上で回答できるように設定しています。
「学校評価アンケート」は、保護者、職員、児童に回答をもらいます。
聞き方は違うものの、同じ観点の設問から、認識の相違点を明確にし、
今後の学校運営に生かす目的があります。
さらに、今年度、保護者自由記述には、
「子育ての悩み」「学校への要望・感想」を、
児童自由記述には、
「こうするともっと渚滑小がよくなること」
を追加しました。
開始4日が過ぎましたが、早速、保護者の方からの回答があり、
「学校職員全員で子供たちを育ててくれている。感謝している。」
や、
「子に関する情報をすぐにくれるので、うれしい。」
など、職員の背中を押してくださる言葉がありました。
子供の自由記述を見ると、
「学校のみんなが仲良くていい。」
「先生たちがやさしい。」
という肯定意見が多く、
要望として、
「家庭のことをみんなで話し合う時間が欲しい。」
「卓球部屋をなくさないで増やしてほしい。」
といった、前向きで質問の意図を理解した回答が多いです。
卓球部屋は4月からあった部屋ではなく、
体育館床改修に伴い、教頭、指導部が中心にセッティングした
運動量の確保のためのものでした。
笑顔いっぱいの学校、築く子のために頑張るのは、職員の思いだけでは達成できません。
子の思い、保護者の皆様の悩みを共有することも大切です。
みなさんの言葉をお待ちしています。
明日、保護者の皆様には、「まちこみメール」で、再度、アンケートアドレスを送信します。
【朝のあいさつ‐めんこいなぁ】
多面的に見る
昔の私は、周りで起こったトラブルの原因を作ったのは、
「あなたでしょ!」
と言われることが多い少年でした。濡れ衣ともいいますか…。
そう思われるような行動をとることが多かったので、仕方ないものと
言い聞かせていましたが…。
このような判断は、「一面」しか見ていないからかもしれません。
最近、「多面的に物事を観る」ことが大切だと言われています。
でも、多面的…って言われても何のことか分かりませんよね。
学校の掲示物の中に、次のような物がありました。
「見方を変えるといいところいっぱい」という見出しです。
うるさい→伝えたいことがいっぱい
のように見方を変える(リフレーミングする)と、自分や他人の「気付くことが多くなる」ということです。
この題材をもとに、全校朝会でこんな話をしました。
「保健室の前に、見方を変えるといいところいっぱいって書いてあるけど、
校長先生が話す中に登場する人の、いいところ探してね。」
子供たちは「うんうん」とうなずいています。
小学校5年生のクラスに、〇〇くんていう男の子がいてね、
その男の子は、とにかく暴れん坊で、人の話も聞かずに、好き勝手する男の子。
ここまでで、〇〇くんのいいところあった?
「最悪!!」
ある日、理科室で実験していたら、〇〇くんが、いきなりとなりの女の子に
水をぶっかけたんだ。
「ひど!」
「うわ…。」
いいところある?
「全然ないよ…。」
その女の子は、おとなしい子で、自分の思いもなかなか言えない子でさ。
水をかけた〇〇くんは職員室に連れていかれて、さんざん叱られた。
「なんてひどいことするんだ!!」ってね。
でも、この話には続きがあって、
水をかけられた女の子は、後になって〇〇くんにこう言ったんだ。
「ありがとう…。」って。
『ええええ!???』
『なんで!???』
さぁ、周りの人と相談してごらん。
子供たちは一斉に考えを共有し始めました。
では聞くよ。なぜ、「ありがとう」と言ったんだろう…。
「多分、その女の子は暑くて言えなかったから、水を掛けてくれてありがとう。だと思う。」
このように、子供たちは、女の子の行動の理由を考え、発表しています。
自分の考えをもち、話に興味があれば自然と話をしたくなるものです。
「実はね…。」
この女の子は、「おしっこ」をもらしちゃったんだよ。
というと、数人が、「ああ!!!!!」
という、気付きの声を挙げました。
「もらしちゃったことを、周りの人にばれないように、
わざと水を掛けたんだ!」
「そうかぁ!!」
でもさ、見方を変えていいところを見るって言っても、
結局は、見た目で判断されるってことじゃないの?
と子供たちを揺さぶると、
一斉に、
「うううう~んん????」
とうなります。
これが大事なのです。
当たり前と思っていたことの視点を変えることで、思考することを始めるのです。
校長先生がみんなに伝えたいのはね、
「どんなに善い行動にも悪い行動にも、そうする理由が必ずあるってこと。
見える結果だけを見てその理由を考えないで、勝手に決めつけて判断しないでほしいんだよ。
そうすれば、いろんな気付きが増えるはずですよ。」
物事を多面的に観ることの話は終了です。
話は変わりますが、
子供たちの前で話すとき、子供が話にくらいついている「眼」をみると、
なんだかこちらまで力が入る思いです。
子供たちに、こういう「眼」をさせる活動や授業を展開していきたいものです。
先生たちのメッセージ
早いものでもう7月です。
あと20日弱の登校で、夏休みが始まります。
1学期の終わりを迎えるこの頃、今学期の振り返りとまとめが始まっています。
先日、「保健室だより」が発行されました。
その内容は、「子供によって、認知特性は違う。だから、子への伝え方、理解への言葉掛けに工夫が必要だ。」
という主旨でした。
養護教諭は、子供たちのノートに視点を当て、
同じ授業でも、子によって理解への取り組み方が違うと分析しています。
保健室という場には、様々な困り感、悩みをもった子が来室します。
養護教諭は、画一的に判断することなくその子の本質を見て対応したいと考えているのでしょう。
このように、渚滑小学校の先生たちは、様々な「メッセージ」を届けています。
今日の全校朝会では、図書室に集まった児童を前に、
初任段階層の教員が、写真を見せながら、こんなメッセージを発していました。
「校長先生の話の様子を見ていると、
〇〇さんが発表しているときの周りの人たちの話の聞き方が素晴らしかった。
反応もいい。
これからも、「気付き」を増やしてほしい。」
とのこと。
このように、先生のメッセージをどのように子に伝えるか、
そして感じてもらうかを日々考えることがとても大切だと思います。
渚滑小学校の担任が発行する学級通信に目を通すと、
子供の様子(事実)とともに、必ず「担任の主観(思い・考え)」が書かれています。
私は、こうしたメッセージを子供、保護者、地域と共有することで、
「渚滑小の味」を作っていけたら…と考えています。
最近の渚滑っ子
やっと暑くなってきました。
欠席する子もなく、学校内に子供たちの声が響いています。
体力づくりの一環で、子供たちは体を動かしています。
体育館改修工事のため、場を確保するために、校舎内全部を利用しました。
廊下にマットを敷いて、後転したり倒立前転をしたり…、
ラダーを追いてサーキットトレーニングをしたり…、
玄関前スペースで縄跳びにチャレンジ。
他に、けん玉、こま回しをしている子もいます。
学年の枠を外して取り組むことができることも渚滑小の特徴です。
翌日、なぎさ学級をのぞくと、算数の学習をしていました。
「測る」学習です。
黒板の長さを図っています。
一人じゃ測れないところは二人で協力して…。
測る前に長さの予想をして活動に入る手もありそうでした。
「そっちもって!」
「いいよ!!」
そんな声を掛け合いながら学習が進んでいます。
玄関前には、
生活目標とそれに対する自分の評価を可視化したボードがあります。
言葉による子供自身の振り返りの言葉が書かれていたり、友達への言葉、
教員から価値付けの言葉や頑張る視点が書かれています。
「気付く子」への一つの手段です。
やっぱり、毎日の積み重ねが大切です。
子供たちが急に変容することはないですし、
教職員も子供の実態を把握し、分析しながら地道な指導を繰り返すしかありません。
その時、教職員が向かうベクトルが同一方向でありたいと思っています。
大人はかたい!?
先日のクマ出没の際には、送迎にご協力いただきありがとうございました。
熊の習性を学び、同じ場に留まることはないとの判断と、その後、目撃情報がないことから解除いたしました。
さて、天気がすぐれない毎日ですが、子供たちは元気です。
渚滑小学校の体育館は、床の改修工事に伴い、現在使用できない状態にあります。
毎日、体を動かすことを楽しみにしていた子供たちにとって、欲求不満な思いをさせてしまっています。
そんなある日、校長室の戸を叩く女の子たち。
「校長先生! 見てください。」
と言って柔軟体操をその場(校長室前の廊下)で始めたのです。
『おおおおお!!! 柔らかいねぇ!!!』
と声を挙げると、得意そうなしたり顔です。
その様子を見た先生たちがやってきました。
その先生たちにも、
「こんなことできる?」
と話し、大人たちをあざ笑い始めます。
「いててててて…。」
『大人は硬いからねぇ…。』
と、馬鹿にします。
「じゃぁ、これできるかい?」
と言って、職員の一人がバランスを取り始めました。
子供たちはむきになります。
みんなで体操教室が始まりました。
どこでも体を動かすことはできます。
廊下にマットを敷いておいても、子供たちは楽しむかもしれません。
大人も思考はやわらかくありたいものです。
お客様の前でも
昨日、「教育委員会文教施設視察」のためお客様が来校されました。
教育長や教育委員の方々が授業の様子を参観しました。
なぎさの学級では、算数の足し算の問題作りをしていました。
「〇〇が△ あります…。 あわせて…。」
といったように、足し算のキーワードをおさえながら、
子供たちが〇〇の中に言葉を入れていきました。
「扇風機が、16台あります…。」
そう話すと、
「扇風機が16台もあったら寒いね!!」
と突っ込む先生。
学級がドッとわきました。
問題作りを通して、その状況をイメージできることも大切な指導なんですね。
1,2年生の教室では、
子供たちが黒板を使って「神経衰弱」をしています。
算数でなぜ?と思われるかもしれませんが、
子供が、「右から〇番目」と指示すると、前に出た子がそのカードをめくります。
この「〇番目」という要素が算数の学習です。
神経衰弱の中に、「〇番目」の学習をする必然性をもっているのです。
ゲームの楽しさを教師が意図的に取り入れ、子供たちが自走している姿を参観していただきました。
6年生は、分数の割り算の計算について交流しています。
渚滑小は、お客様がいつ来たとしても、
普段の授業の様子をいつでも見せられる状況です。
廊下ですれ違う子供たちは、
「こんにちは!!」
と、自分たちから挨拶ができます。
毎朝、挨拶をしに校長室にくる子が増えています。
「今日も元気だね。」
先生も子供たちも、普段から意識していることが習慣となれば、
本物の力となっているはずです。
いつでも、「笑顔いっぱい・本気いっぱい」の渚滑小でありたいです。
渚滑小の自慢を教えます(学習サポーター歓迎!)
子供たち、とってもいい顔をしています。
その視線の先にあるのは…、
新たな先生です。
19日に、「学習サポーター」が配置され、原先生の歓迎式をしました。
先に私から、
「原先生に自己紹介してもらう前に、
校長先生から原先生に、渚滑小のみんなの自慢を話しますね。
まず…、」
子供たちも私が何を自慢するのか、興味津々。
「挨拶を自分からする人が多いです。
今日も、『〇〇(友達の名)、おはよう!』
って、あちこちで挨拶の声が聞こえました。素敵です。」
「2つ目は、時間を守るってこと。
今日の歓迎式も、15分から始めるって決まってたから、
その前に、みんな勢ぞろいして、15分ぴったりに始めることができた。
この自慢、ずっと続けられるかな?」
みんなで、名前を確認して、
原先生の自己紹介。
「みなさん、たくさんお話しましょうね。」
そうして、早速、教室へ。
1,2年生は集中して学習に取り組んでいました。
職員室に戻ってきた原先生に、
「子供たちの印象はどうです?」
とたずねると、
「元気で素直な子が多いです。」
との返信でした。
原先生には、おもに低学年のサポートに入ってもらいます。
これから、渚滑っ子をよろしく!
ちなみに、1,2年生の聞く姿勢が変容していました。
お話している人にへそを向けて聞いています。
低学年の今後の学びが楽しみです。
達成感と次へつなぐ視点を
とってもいい天気のもと、「渚滑小中学校合同運動会」を開催しました。
グラウンドに集う人たちの笑顔がたくさんの運動会でした。
開会式でのPTA会長のユニークな挨拶に始まり、
子供たちが全力で取り組む姿、
応援している方々の、手拍子、拍手。
見どころが満載でした。
小学校の「リズム」の時、放送席にいる中学生全員が手拍子をしていたり、
奥に見える保護者の方々が、そのリズムに乗って一緒に踊っていたり…。
演者を育てるのは、観客であることがうなずけました。
踊っている子供たちの動きが変わるのです。
この他に、
総練習のあと、さらに練習をした形跡が残る場面もありました。
放送原稿を読むスピード、強弱、間が明らかに向上変容しています。
次の競技への「間」も激変し、キビキビ感が表れ進行がスムーズに。
閉会式後、みんなで後片付けをして、解散です。
こうした動きを目の当たりにして、職員の頑張り、子供たちの変化を実感することができました。
多分、参観した保護者の方々は、
「観てよかった。」
と思ったでしょうし、子供たちも、
「やってよかった。」
と思えたと思います。
でも、この行事は今後の序章でしかありません。
今後の指導に向けて、今の子供たちの実態を把握し、次の一手を職員みんなで創造していくことが大事です。
満足はたくさんしたほうがいい。
でも、満足を長く続けると成長するタイミングを逃すものだと思います。
ですから、みんなで作り上げた運動会を、今後のみんなのために
どのように生かすかという視点を持ちたいものです。
運動会の来賓の方々も、
「見どころいっぱいでした!」
と満足していました。
保護者の方から、
「子の成長がみられました。ありがとうございました。」
とねぎらいのお声を掛けていただいた職員も数人いたようです。
最後まで片付けを手伝っていただいた保護者の皆様、ありがとうございました。
職員も明日はゆっくり休んでください。
では、また…。
なごやかな気持ち
明日の運動会に向けて、「前日準備」をしました。
小中学校の児童生徒が、声を掛け合い、なごやかに時間が過ぎていきました。
途中、中学校の教員が、
「せっかく(テントを)立てたのに、どうして脚をたたんじゃうんだろうね?」
と子供たちに質問している場面がありました。
『えっ?』
『雨が降るから?』
「風が吹いて飛んでいったらどうなる?
危険を防ぐためだよ。」
その対応をする意味付けをしていました。
「考えさせる」「学ぶ」場面を設定することは、意識していればいつでも、どこででもできます。
最後に、石拾いをして、グループごとに集まって解散しました。
明日の準備は万全です。
校舎へ戻る途中、高学年の女の子が、
「校長先生、これあげる。」
と言って、小さな花を差し出してくれました。
『この花をきれいとか、かわいいと思える自分って、いいと思わない?』
とたずねると、
その女の子は、にっこり笑って、
「はいっ!」
と言いました。
『これ、押し花にするね。』
運動会前日は、とってもなごやかな気持ちです。
明日、みなさんとお会いできることを楽しみにしています。