学校からのお知らせ

心の勉強は続く

 先日、数年ぶりに1年生の道徳の授業をしました。

 「きんのおの」という題材です。

内容項目は、「正直・誠実」で、正直といえば、

「嘘をつかないで、本当のことを言う」

というレールを敷きがちです。

 

 でも私は、「誠実であるために」時と場合によって、

「嘘をつかなければならないこともある。」と押さえています。

そんな思いをもって、一年生と対峙したのでありました。

 

「ねぇ、正直な人ってどんな人のこと?」

:うそをつかない人

:本当のことを言う人

 

「へぇ、そんな人になりたいと思う人は手を挙げて。」

:全員が挙手

 

「へぇ! そうなんだ。じゃぁ、足が遅い人に、『足遅いね。』って言いたいんだね。

 体が太い人に、『〇〇だね。』って言える人になりたいのかぁ…。」

 

と、揺さぶりの問い掛けをすると、一斉に、

「それは違う!!! 」

「だって!!!」

という反応が返ってきました。

ねらい通りです。

 

「じゃぁ、今日はどんな心のお勉強をしようかね…。」

:正直な人になるためにがんばること

 

という感じで、導入が終わり、物語教材を読みました。

読み聞かせているときの子供たちは集中しています。

 

 このように、子供たちの考えるスイッチを見付け、

どのようにスイッチを入れるかが大切です。

 

 子供たちは、

「自分のことしか考えない正直はダメ。」

「みんなが笑顔になる正直をいう。」

とまとめました。

 

「校長先生と勉強して楽しかったかい?」

とたずねると、

:あっという間だった!

:5分しかたってないかと思った!

 

などと、お世辞だとしてもうれしい反応でした。

これだけではこの授業は終わりませんでした。

 

 帰りに校長室にあいさつに来た子が、校長室に入ってきて、

「校長先生! わたし、優しいウソならいっぱい言っていいと思うんだけど…。」

と、授業の続きを話し始めるのです。

 

わたしも面白くなって、

「優しいかどうか、だれが決めるの?」

と問い返しました。

「だから、まわりのみんなが笑顔になってるかどうかだと…。」

 

「ほぉ…、自分だけじゃ分からないってことか。」

学習が終わっても、話をしてくる子供たちのスイッチを入れたいものです。

 

朝から話す・笑う

 私はこの数週間、出勤して朝の過ごし方を変えたことがあります。

職員室前、もしくは玄関で登校してきた子供たちを迎えるようにしました。

「おはようございます。」

と言ってくる子だけとは限りません。

「・・・。」

無言で玄関に入ろうとする子。

 

一度玄関に入って、また外に出てきて私に話しかける子

など様々。

 

とにかく声を掛けるようにしています。

反応させるためです。

 

玄関前で、虫の死骸に気付き、

「なんでバラバラになってるんだ?」

と不思議に思っている子もいます。

なかなか教室へ向かおうとしない子には、公務補や見守り隊の地域の方が、

「そうそろ入りなさい。」

と促したりしています。

 

朝の様子を観察すると、家を出るまでの様子が見えてきます。

あくびをしている子や、にこにこして挨拶する子。

 

その日の子供たちの様子を把握するには、ベストな時間かもしれません。

一日の好スタートをきるためにも、

家庭での基本的な生活習慣を大切にお願いします。

素直な思いを言葉と行動で

 子供の心は、行動、言葉にすぐ表れます。 

2つの事例を紹介しましょう。

 

①ある日、給食をとったあと、私は校長室で校務にあたっていました。

休み時間だったので、子供たちが廊下で会話する声が聞こえてきます。

 

そんなときのことです。

給食センターの職員の方が、子供たちの給食カートを片付けにきました。

すると、どこからか、

 

「いつも、おいしい給食をありがとうございます!」

 

という言葉が、廊下から聞こえたのです。

私は、すぐに廊下に出ました。

『今の素敵な言葉、だれですか?』

 

その場にいた先生が、図書室を指差して教えてくれました。

「〇〇さんです。」

「素敵な言葉だねぇ!!!

 聞いていた校長先生もうれしくなったよ。」

 

その言葉を言われたセンターの方も、

「そうかい? ありがとね!!」

とお返しの言葉がありました。

 

飾らない素直な言葉は、私の気持ちもすっきりさせてくれました。

 

②先日、学校にお客様がいらっしゃいました。

渚滑駐在所のおまわりさんです。

「防犯教室」の講師として、ネットトラブル、不審者対応についてお話いただだきました。

 

1~3年生の不審者対応の学習を始めるまで、子供たちと雑談です。

「〇〇くんは、将来、警察官になりたいのかぁ。

 どうして?」

など、気さくな会話をしてくれます。

子供たちは、たのしく学習を進めることができました。

学習を終え、講師の方が玄関へ足を進めていると、

子供たちも一緒に玄関へ移動します。

 

「お見送りをしよう。」などの呼び掛けはしていませんが、

子供たちが声を揃えて、

「いくぞ!」

と見送るのです。

ありがとうございましたぁ!!

「わざわざ、玄関までお見送りしてくれるなんて…。」

おまわりさんも恐縮しています。

 

子供たちが素直な気持ちを行動に表すとき、

周りの雰囲気を明るくしてくれるのです。

 

遊びから学びの連鎖

 最近、虫網を持って野原を駆け回る子を見なくなったなぁ…。

…と思っていたここ数年。

渚滑小に赴任するとその考えが飛んでいきました。

休み時間、私が廊下を歩いていると、一年生の子が、

「校長先生…、いっしょに虫取りにいかない?」

とつぶやいてきました。

 

「お! いいねぇ!!」

 

早速、虫網を手に取って外へ出ました。

快晴の暑い日中でしたが、私も数年ぶりに手にする虫網に興奮気味。

蝶を追いかけ、グラウンドを行ったりきたりしています。

その移動距離と言ったら、結構なものです。

短距離走を何本もするよりも、虫を追いかけたほうが体力がつきます。

 

つかまえたぁ!!

 

興奮した男の子の叫び声が聞こえました。

でも、網に入った虫をそのあとどうしたらいいのか分からず、

逃げてしまいました。

 

あぁ~…。

「捕った後ね、網をこうしたら逃げないよ。」

へぇ…!!

 

こうした体験は忘れないものです。

そして、捕まえた蝶を誰かに見せたいのです。

「すごいねぇ~、なんていう蝶なんだろう…。」

 

その言葉に、学びの連鎖がスタートします。

図書室へ行って図鑑を持って教室に行きます。

 

こうした遊び、活動を通して「危険」「時間を守る」「調べてみる」「仲間と協力する」などといった

「かかわり方」「学び方」を理解していくのだと思います。

 

校長先生! また行こうね!!

休み時間に誘ってきたときの表情とは明らかに変わっていました。

 

裏話…。

私が子供たちと一緒にグラウンドで虫を追いかけているとき、

何やら、お客様がやってきました。

「職員室に行ったら、『校長先生はグラウンドに…。』と言われたので…。」

と言って虫網を持った大男は、そのお客様から名刺を渡されました。

 

私は、『すいません、こんなところで…、すいません…。』

と平謝り。

するとそのお客様は一言…。

 

「校長先生…、楽しそうでいいですね。」

 

汗だくになっている私は、

『ですね。楽しいですよ。』

と答えたのでした。

 

スポットクーラー稼働!

公務補、事務員の活躍で、子供たちの学びを保障できました。

子の言葉

 7月1日~19日までの期間、今年度最初の「学校評価アンケート」をお願いしています。

御覧のように、今年度からネット上で回答できるように設定しています。

「学校評価アンケート」は、保護者、職員、児童に回答をもらいます。

聞き方は違うものの、同じ観点の設問から、認識の相違点を明確にし、

今後の学校運営に生かす目的があります。

 

さらに、今年度、保護者自由記述には、

「子育ての悩み」「学校への要望・感想」を、

児童自由記述には、

「こうするともっと渚滑小がよくなること」

を追加しました。

 

開始4日が過ぎましたが、早速、保護者の方からの回答があり、

「学校職員全員で子供たちを育ててくれている。感謝している。」

や、

「子に関する情報をすぐにくれるので、うれしい。」

など、職員の背中を押してくださる言葉がありました。

 

 子供の自由記述を見ると、

「学校のみんなが仲良くていい。」

「先生たちがやさしい。」

という肯定意見が多く、

要望として、

「家庭のことをみんなで話し合う時間が欲しい。」

「卓球部屋をなくさないで増やしてほしい。」

 

といった、前向きで質問の意図を理解した回答が多いです。

卓球部屋は4月からあった部屋ではなく、

体育館床改修に伴い、教頭、指導部が中心にセッティングした

運動量の確保のためのものでした。

 

 笑顔いっぱいの学校、築く子のために頑張るのは、職員の思いだけでは達成できません。

子の思い、保護者の皆様の悩みを共有することも大切です。

 

 みなさんの言葉をお待ちしています。

明日、保護者の皆様には、「まちこみメール」で、再度、アンケートアドレスを送信します。

 

【朝のあいさつ‐めんこいなぁ】