学校からのお知らせ
遊びから学びの連鎖
最近、虫網を持って野原を駆け回る子を見なくなったなぁ…。
…と思っていたここ数年。
渚滑小に赴任するとその考えが飛んでいきました。
休み時間、私が廊下を歩いていると、一年生の子が、
「校長先生…、いっしょに虫取りにいかない?」
とつぶやいてきました。
「お! いいねぇ!!」
早速、虫網を手に取って外へ出ました。
快晴の暑い日中でしたが、私も数年ぶりに手にする虫網に興奮気味。
蝶を追いかけ、グラウンドを行ったりきたりしています。
その移動距離と言ったら、結構なものです。
短距離走を何本もするよりも、虫を追いかけたほうが体力がつきます。
つかまえたぁ!!
興奮した男の子の叫び声が聞こえました。
でも、網に入った虫をそのあとどうしたらいいのか分からず、
逃げてしまいました。
あぁ~…。
「捕った後ね、網をこうしたら逃げないよ。」
へぇ…!!
こうした体験は忘れないものです。
そして、捕まえた蝶を誰かに見せたいのです。
「すごいねぇ~、なんていう蝶なんだろう…。」
その言葉に、学びの連鎖がスタートします。
図書室へ行って図鑑を持って教室に行きます。
こうした遊び、活動を通して「危険」「時間を守る」「調べてみる」「仲間と協力する」などといった
「かかわり方」「学び方」を理解していくのだと思います。
校長先生! また行こうね!!
休み時間に誘ってきたときの表情とは明らかに変わっていました。
裏話…。
私が子供たちと一緒にグラウンドで虫を追いかけているとき、
何やら、お客様がやってきました。
「職員室に行ったら、『校長先生はグラウンドに…。』と言われたので…。」
と言って虫網を持った大男は、そのお客様から名刺を渡されました。
私は、『すいません、こんなところで…、すいません…。』
と平謝り。
するとそのお客様は一言…。
「校長先生…、楽しそうでいいですね。」
汗だくになっている私は、
『ですね。楽しいですよ。』
と答えたのでした。
スポットクーラー稼働!
公務補、事務員の活躍で、子供たちの学びを保障できました。
子の言葉
7月1日~19日までの期間、今年度最初の「学校評価アンケート」をお願いしています。
御覧のように、今年度からネット上で回答できるように設定しています。
「学校評価アンケート」は、保護者、職員、児童に回答をもらいます。
聞き方は違うものの、同じ観点の設問から、認識の相違点を明確にし、
今後の学校運営に生かす目的があります。
さらに、今年度、保護者自由記述には、
「子育ての悩み」「学校への要望・感想」を、
児童自由記述には、
「こうするともっと渚滑小がよくなること」
を追加しました。
開始4日が過ぎましたが、早速、保護者の方からの回答があり、
「学校職員全員で子供たちを育ててくれている。感謝している。」
や、
「子に関する情報をすぐにくれるので、うれしい。」
など、職員の背中を押してくださる言葉がありました。
子供の自由記述を見ると、
「学校のみんなが仲良くていい。」
「先生たちがやさしい。」
という肯定意見が多く、
要望として、
「家庭のことをみんなで話し合う時間が欲しい。」
「卓球部屋をなくさないで増やしてほしい。」
といった、前向きで質問の意図を理解した回答が多いです。
卓球部屋は4月からあった部屋ではなく、
体育館床改修に伴い、教頭、指導部が中心にセッティングした
運動量の確保のためのものでした。
笑顔いっぱいの学校、築く子のために頑張るのは、職員の思いだけでは達成できません。
子の思い、保護者の皆様の悩みを共有することも大切です。
みなさんの言葉をお待ちしています。
明日、保護者の皆様には、「まちこみメール」で、再度、アンケートアドレスを送信します。
【朝のあいさつ‐めんこいなぁ】
多面的に見る
昔の私は、周りで起こったトラブルの原因を作ったのは、
「あなたでしょ!」
と言われることが多い少年でした。濡れ衣ともいいますか…。
そう思われるような行動をとることが多かったので、仕方ないものと
言い聞かせていましたが…。
このような判断は、「一面」しか見ていないからかもしれません。
最近、「多面的に物事を観る」ことが大切だと言われています。
でも、多面的…って言われても何のことか分かりませんよね。
学校の掲示物の中に、次のような物がありました。
「見方を変えるといいところいっぱい」という見出しです。
うるさい→伝えたいことがいっぱい
のように見方を変える(リフレーミングする)と、自分や他人の「気付くことが多くなる」ということです。
この題材をもとに、全校朝会でこんな話をしました。
「保健室の前に、見方を変えるといいところいっぱいって書いてあるけど、
校長先生が話す中に登場する人の、いいところ探してね。」
子供たちは「うんうん」とうなずいています。
小学校5年生のクラスに、〇〇くんていう男の子がいてね、
その男の子は、とにかく暴れん坊で、人の話も聞かずに、好き勝手する男の子。
ここまでで、〇〇くんのいいところあった?
「最悪!!」
ある日、理科室で実験していたら、〇〇くんが、いきなりとなりの女の子に
水をぶっかけたんだ。
「ひど!」
「うわ…。」
いいところある?
「全然ないよ…。」
その女の子は、おとなしい子で、自分の思いもなかなか言えない子でさ。
水をかけた〇〇くんは職員室に連れていかれて、さんざん叱られた。
「なんてひどいことするんだ!!」ってね。
でも、この話には続きがあって、
水をかけられた女の子は、後になって〇〇くんにこう言ったんだ。
「ありがとう…。」って。
『ええええ!???』
『なんで!???』
さぁ、周りの人と相談してごらん。
子供たちは一斉に考えを共有し始めました。
では聞くよ。なぜ、「ありがとう」と言ったんだろう…。
「多分、その女の子は暑くて言えなかったから、水を掛けてくれてありがとう。だと思う。」
このように、子供たちは、女の子の行動の理由を考え、発表しています。
自分の考えをもち、話に興味があれば自然と話をしたくなるものです。
「実はね…。」
この女の子は、「おしっこ」をもらしちゃったんだよ。
というと、数人が、「ああ!!!!!」
という、気付きの声を挙げました。
「もらしちゃったことを、周りの人にばれないように、
わざと水を掛けたんだ!」
「そうかぁ!!」
でもさ、見方を変えていいところを見るって言っても、
結局は、見た目で判断されるってことじゃないの?
と子供たちを揺さぶると、
一斉に、
「うううう~んん????」
とうなります。
これが大事なのです。
当たり前と思っていたことの視点を変えることで、思考することを始めるのです。
校長先生がみんなに伝えたいのはね、
「どんなに善い行動にも悪い行動にも、そうする理由が必ずあるってこと。
見える結果だけを見てその理由を考えないで、勝手に決めつけて判断しないでほしいんだよ。
そうすれば、いろんな気付きが増えるはずですよ。」
物事を多面的に観ることの話は終了です。
話は変わりますが、
子供たちの前で話すとき、子供が話にくらいついている「眼」をみると、
なんだかこちらまで力が入る思いです。
子供たちに、こういう「眼」をさせる活動や授業を展開していきたいものです。
先生たちのメッセージ
早いものでもう7月です。
あと20日弱の登校で、夏休みが始まります。
1学期の終わりを迎えるこの頃、今学期の振り返りとまとめが始まっています。
先日、「保健室だより」が発行されました。
その内容は、「子供によって、認知特性は違う。だから、子への伝え方、理解への言葉掛けに工夫が必要だ。」
という主旨でした。
養護教諭は、子供たちのノートに視点を当て、
同じ授業でも、子によって理解への取り組み方が違うと分析しています。
保健室という場には、様々な困り感、悩みをもった子が来室します。
養護教諭は、画一的に判断することなくその子の本質を見て対応したいと考えているのでしょう。
このように、渚滑小学校の先生たちは、様々な「メッセージ」を届けています。
今日の全校朝会では、図書室に集まった児童を前に、
初任段階層の教員が、写真を見せながら、こんなメッセージを発していました。
「校長先生の話の様子を見ていると、
〇〇さんが発表しているときの周りの人たちの話の聞き方が素晴らしかった。
反応もいい。
これからも、「気付き」を増やしてほしい。」
とのこと。
このように、先生のメッセージをどのように子に伝えるか、
そして感じてもらうかを日々考えることがとても大切だと思います。
渚滑小学校の担任が発行する学級通信に目を通すと、
子供の様子(事実)とともに、必ず「担任の主観(思い・考え)」が書かれています。
私は、こうしたメッセージを子供、保護者、地域と共有することで、
「渚滑小の味」を作っていけたら…と考えています。
最近の渚滑っ子
やっと暑くなってきました。
欠席する子もなく、学校内に子供たちの声が響いています。
体力づくりの一環で、子供たちは体を動かしています。
体育館改修工事のため、場を確保するために、校舎内全部を利用しました。
廊下にマットを敷いて、後転したり倒立前転をしたり…、
ラダーを追いてサーキットトレーニングをしたり…、
玄関前スペースで縄跳びにチャレンジ。
他に、けん玉、こま回しをしている子もいます。
学年の枠を外して取り組むことができることも渚滑小の特徴です。
翌日、なぎさ学級をのぞくと、算数の学習をしていました。
「測る」学習です。
黒板の長さを図っています。
一人じゃ測れないところは二人で協力して…。
測る前に長さの予想をして活動に入る手もありそうでした。
「そっちもって!」
「いいよ!!」
そんな声を掛け合いながら学習が進んでいます。
玄関前には、
生活目標とそれに対する自分の評価を可視化したボードがあります。
言葉による子供自身の振り返りの言葉が書かれていたり、友達への言葉、
教員から価値付けの言葉や頑張る視点が書かれています。
「気付く子」への一つの手段です。
やっぱり、毎日の積み重ねが大切です。
子供たちが急に変容することはないですし、
教職員も子供の実態を把握し、分析しながら地道な指導を繰り返すしかありません。
その時、教職員が向かうベクトルが同一方向でありたいと思っています。
大人はかたい!?
先日のクマ出没の際には、送迎にご協力いただきありがとうございました。
熊の習性を学び、同じ場に留まることはないとの判断と、その後、目撃情報がないことから解除いたしました。
さて、天気がすぐれない毎日ですが、子供たちは元気です。
渚滑小学校の体育館は、床の改修工事に伴い、現在使用できない状態にあります。
毎日、体を動かすことを楽しみにしていた子供たちにとって、欲求不満な思いをさせてしまっています。
そんなある日、校長室の戸を叩く女の子たち。
「校長先生! 見てください。」
と言って柔軟体操をその場(校長室前の廊下)で始めたのです。
『おおおおお!!! 柔らかいねぇ!!!』
と声を挙げると、得意そうなしたり顔です。
その様子を見た先生たちがやってきました。
その先生たちにも、
「こんなことできる?」
と話し、大人たちをあざ笑い始めます。
「いててててて…。」
『大人は硬いからねぇ…。』
と、馬鹿にします。
「じゃぁ、これできるかい?」
と言って、職員の一人がバランスを取り始めました。
子供たちはむきになります。
みんなで体操教室が始まりました。
どこでも体を動かすことはできます。
廊下にマットを敷いておいても、子供たちは楽しむかもしれません。
大人も思考はやわらかくありたいものです。
お客様の前でも
昨日、「教育委員会文教施設視察」のためお客様が来校されました。
教育長や教育委員の方々が授業の様子を参観しました。
なぎさの学級では、算数の足し算の問題作りをしていました。
「〇〇が△ あります…。 あわせて…。」
といったように、足し算のキーワードをおさえながら、
子供たちが〇〇の中に言葉を入れていきました。
「扇風機が、16台あります…。」
そう話すと、
「扇風機が16台もあったら寒いね!!」
と突っ込む先生。
学級がドッとわきました。
問題作りを通して、その状況をイメージできることも大切な指導なんですね。
1,2年生の教室では、
子供たちが黒板を使って「神経衰弱」をしています。
算数でなぜ?と思われるかもしれませんが、
子供が、「右から〇番目」と指示すると、前に出た子がそのカードをめくります。
この「〇番目」という要素が算数の学習です。
神経衰弱の中に、「〇番目」の学習をする必然性をもっているのです。
ゲームの楽しさを教師が意図的に取り入れ、子供たちが自走している姿を参観していただきました。
6年生は、分数の割り算の計算について交流しています。
渚滑小は、お客様がいつ来たとしても、
普段の授業の様子をいつでも見せられる状況です。
廊下ですれ違う子供たちは、
「こんにちは!!」
と、自分たちから挨拶ができます。
毎朝、挨拶をしに校長室にくる子が増えています。
「今日も元気だね。」
先生も子供たちも、普段から意識していることが習慣となれば、
本物の力となっているはずです。
いつでも、「笑顔いっぱい・本気いっぱい」の渚滑小でありたいです。
渚滑小の自慢を教えます(学習サポーター歓迎!)
子供たち、とってもいい顔をしています。
その視線の先にあるのは…、
新たな先生です。
19日に、「学習サポーター」が配置され、原先生の歓迎式をしました。
先に私から、
「原先生に自己紹介してもらう前に、
校長先生から原先生に、渚滑小のみんなの自慢を話しますね。
まず…、」
子供たちも私が何を自慢するのか、興味津々。
「挨拶を自分からする人が多いです。
今日も、『〇〇(友達の名)、おはよう!』
って、あちこちで挨拶の声が聞こえました。素敵です。」
「2つ目は、時間を守るってこと。
今日の歓迎式も、15分から始めるって決まってたから、
その前に、みんな勢ぞろいして、15分ぴったりに始めることができた。
この自慢、ずっと続けられるかな?」
みんなで、名前を確認して、
原先生の自己紹介。
「みなさん、たくさんお話しましょうね。」
そうして、早速、教室へ。
1,2年生は集中して学習に取り組んでいました。
職員室に戻ってきた原先生に、
「子供たちの印象はどうです?」
とたずねると、
「元気で素直な子が多いです。」
との返信でした。
原先生には、おもに低学年のサポートに入ってもらいます。
これから、渚滑っ子をよろしく!
ちなみに、1,2年生の聞く姿勢が変容していました。
お話している人にへそを向けて聞いています。
低学年の今後の学びが楽しみです。
達成感と次へつなぐ視点を
とってもいい天気のもと、「渚滑小中学校合同運動会」を開催しました。
グラウンドに集う人たちの笑顔がたくさんの運動会でした。
開会式でのPTA会長のユニークな挨拶に始まり、
子供たちが全力で取り組む姿、
応援している方々の、手拍子、拍手。
見どころが満載でした。
小学校の「リズム」の時、放送席にいる中学生全員が手拍子をしていたり、
奥に見える保護者の方々が、そのリズムに乗って一緒に踊っていたり…。
演者を育てるのは、観客であることがうなずけました。
踊っている子供たちの動きが変わるのです。
この他に、
総練習のあと、さらに練習をした形跡が残る場面もありました。
放送原稿を読むスピード、強弱、間が明らかに向上変容しています。
次の競技への「間」も激変し、キビキビ感が表れ進行がスムーズに。
閉会式後、みんなで後片付けをして、解散です。
こうした動きを目の当たりにして、職員の頑張り、子供たちの変化を実感することができました。
多分、参観した保護者の方々は、
「観てよかった。」
と思ったでしょうし、子供たちも、
「やってよかった。」
と思えたと思います。
でも、この行事は今後の序章でしかありません。
今後の指導に向けて、今の子供たちの実態を把握し、次の一手を職員みんなで創造していくことが大事です。
満足はたくさんしたほうがいい。
でも、満足を長く続けると成長するタイミングを逃すものだと思います。
ですから、みんなで作り上げた運動会を、今後のみんなのために
どのように生かすかという視点を持ちたいものです。
運動会の来賓の方々も、
「見どころいっぱいでした!」
と満足していました。
保護者の方から、
「子の成長がみられました。ありがとうございました。」
とねぎらいのお声を掛けていただいた職員も数人いたようです。
最後まで片付けを手伝っていただいた保護者の皆様、ありがとうございました。
職員も明日はゆっくり休んでください。
では、また…。
なごやかな気持ち
明日の運動会に向けて、「前日準備」をしました。
小中学校の児童生徒が、声を掛け合い、なごやかに時間が過ぎていきました。
途中、中学校の教員が、
「せっかく(テントを)立てたのに、どうして脚をたたんじゃうんだろうね?」
と子供たちに質問している場面がありました。
『えっ?』
『雨が降るから?』
「風が吹いて飛んでいったらどうなる?
危険を防ぐためだよ。」
その対応をする意味付けをしていました。
「考えさせる」「学ぶ」場面を設定することは、意識していればいつでも、どこででもできます。
最後に、石拾いをして、グループごとに集まって解散しました。
明日の準備は万全です。
校舎へ戻る途中、高学年の女の子が、
「校長先生、これあげる。」
と言って、小さな花を差し出してくれました。
『この花をきれいとか、かわいいと思える自分って、いいと思わない?』
とたずねると、
その女の子は、にっこり笑って、
「はいっ!」
と言いました。
『これ、押し花にするね。』
運動会前日は、とってもなごやかな気持ちです。
明日、みなさんとお会いできることを楽しみにしています。
素敵な学び
今日のブログは、素敵な学びを2つ紹介します。
少々長くなります。
素敵な学び①
運動会総練習を終え、今日の練習(指導)の目的は、
その振り返りをもとに、子供たちに考えて行動するように仕向ける一日でした。
まず、「リズム」の中で、統一するとかっこよくなる視点を子供たちに気付かせ、
そこをバディ(パートナー)と確認しています。
確認する視点さえ理解し、学びに「必要感」を感じることができれば、子供たちはどんどん勝手に動きます。
その様子(子供の自主性)が顕著に表れ、垣間見えた場面が次の種目の練習でした。
まず、集合地点までの移動もキビキビと。
「私よりも早く動きなさい。」
と言って担当教員は、子供たちに素早く動く必然性と興味をもたせています。
そして、
昨日の総練習を振り返らせ、
「さて、今日はどんな練習をしたい?」
と問い掛けます。
『作戦会議をしたい!』
「へぇ…、練習試合しなくてもいい?」
と言って、子供たちに作戦会議をする視点を見付ける活動を促します。
そして、練習試合を一度やってみた後に、作戦会議が始まりました。
その作戦会議の方法はさまざまで、話し合い形式を選んだり、
実際に棒を持ってやってみたり…。
解決の方法はさまざまでいいのです。
そして、その後、子供たちから、
「ちょっと、実際にやってみていいですか?」
というつぶやきが生まれました。
指導者が、「やりなさい。」と言わずとも、
子供が「必要感」をもち、「動き方」が分かっているのなら、必然的に動き出すことが分かります。
そして、その裏に、担当教員の仕掛けがありました。
「今日は、練習試合は1回しかしないからね。」
という声掛け。
意図的にその声を掛けたようです。
子供の学力、思考、判断、表現を向上させる条件の1つに、
「活動に制限を設定する」
ことがあります。
例えば、自分の考えを〇文字以内で書きなさい。
とか、〇秒で動きなさい。
ということです。
「今日は、練習試合は1回しかしないからね。」は、「もっとやってみたい!」
と思うための、「制限」の指示でした。
渚滑小学校では、どの学習においても、「課題の設定」にこだわっています。
指導者が、「この時間はこれを勉強するよ。」と言わずに、子供たちが、
「この時間はこの勉強をしたい!」
「こんなゴールを目指したい!」
と思える声掛け、導入をしようということです。
教科の学習だけでなく、行事や児童会活動の中でも、そういうスタンスで臨んでいます。
素敵な学び②
昼からの時間に、オホーツク総合振興局の「西部耕地出張所」の方々と、
「田植え」体験学習をしました。
雨の天候が心配であり、気温も昨日から10度以上も下がっていることを鑑み、
残念ではありましたが、裸足での田植えは断念しました。
植え方の説明を聞いているときの子供たちは真剣です。
早速、体験を始めました。
植え方にもコツと知恵があります。
こうした知恵と工夫に気付かせることも大切な学習です。
軍手をはめていた子も、脱ぎだして植えています。
数十分の体験でしたが、規則正しく植えました。
その後、室内に移動して、野菜クイズやお米の育ちについて学習を深めました。
担当してくださった職員の方々の説明は分かりやすく、子供たちのつぶやきも上手に拾ってくれました。
子供たちの聞く態度もよく、
反応やつぶやきも、
「うおおおお!」
「すげぇ!」
「パチパチパチ!」
といった感じ。
所長も、
「渚滑小の子は、元気で反応がいいですね。」
と評価してくださいました。
最後に、代表児童が感謝の言葉を…。
私も一言・・・。
「今日の給食、あなたたちが育てた野菜? お米?
それをあなたたちの口に運ぶまでには、たくさんの人の手がかかっているんですね。
だからあなたたちがすぐにすべきことがあるんです。」
「ありがとうって言う!」
「いただきますっていう!」
「なるほどね。いただきますって、育ててくれた人、作ってくれた人、命に対していう言葉なんだね。」
と話して学習をくくりました。
対応していただいた「西部耕地」の職員の方々は本当に素敵で、
汚してしまった玄関をすぐにきれいにしていたり、
植え残った苗を、すぐに植えていたり、
子供たちにタオルを用意してくださったり、
チームとして役割を自覚している方々で、
とにかく、みなさんの表情が素敵でした。
運動会を前に、子供たちの体調を気遣ってくださり、
そして、こちらの要望にも耳を傾けていただき感謝申し上げます。
来年こそは、泥んこ体験を…。
苗の観察の際もよろしくお願いいたします。
「ブログ、楽しみに読んでますよ。」
と教えてくれた職員の方と笑ってお別れしました。
素敵な学びをありがとうございました。
今日一番の光景
今日、運動会の総練習を行いました。
これまで悪天候が続き、体育館での合同練習をするなど、屋外で競技を通した練習は初でした。
本番さながらの総練習でしたが、職員も当日をイメージする大切な時間となりました。
すべての種目を目にして、私が今日一番、心に残ったシーンがありました。
これは何かというと、
小学校児童が「リズム」を終え、退場後に児童テントに戻るときの様子です。
写真ではうまく伝わらないのですが、
次の種目の準備をする中学生と、フィールド内で入れ替わりするときです。
すれ違った小学生たちに、
「よかったよ!!!」
「がんばったね!!!」
「いぇ~い!!」
「パチパチパチ!!!(拍手)」
と生徒たちが声を掛け、褒めてくれたのです。
それも、一人や二人ではなく…。
自分たちの行動を認めてくれた小学校の子供たちもいい顔をしています。
中学生のさりげない行動がとても素敵でした。
一緒に参観していた教頭とも、思わず、
「いいな、これ。」
と共感しました。
放課後、小中合同の反省会議を開き、先生たちが協議しました。
「もっと、こうできたらいい。」
と、本番を3日後に控え、これからできることを模索していました。
こうして、本番に臨む渚滑小中合同運動会。
お楽しみに…。
子供たちの学びと職員の動き
運動会の特別日課期間ではありますが、日常の教科指導も怠ってはいません。
1年生の算数では、「10の合成」について、学習していました。
そろばんを用いて、視覚的に10の合成(1と9、2と8…)を理解していきます。
1年生は入学して3か月目に突入ですが、学習を頑張っています。
1年生は、黙々と自学習できるようになってきています。
5年生教室を覗くと、社会の学習をしていました。
すると、ある子が私に気付き、
「校長先生は、戦争に行ったことある?」
と尋ねてきました。
『ん? どう思う?』
と聞き返すと、
「1940年の学習してるんだけど、戦争してたんだよ。」
『へぇ…。 校長先生はねぇ、1970年生まれなんだよ。』
と答えると、
「そうかぁ、じゃぁ、戦争に行ってないんだね。えっと…、校長先生が生まれる30年前かぁ…。」
と、西暦を根拠に時代を抑えていました。
渚滑でも戦争の影響を受けたのかなぁ…?
なんていう問い返しをしても学習が広がりますね。
その後、3,4年生の教室に向かうと、とても面白い場面に出会いました。
国語の時間、「主語、述語の関係」について学んでいました。
すると、ある子が、
「くどくてん に気を付けて読むんですね。」
と言うのです。
すると担任が、
「ん? くどくてん?」
と突っ込みます。
子供たちは、「句読点」の読み方に「?」だったのです。
ここで教師がはりきって教えてはいけません。
「ん? なんて読むんだろうね?」
ととぼけてみせるべきです。
すると、教室全体が「えええ!??? なんて読むの???」という雰囲気になりました。
そうです。自分たちで調べさせるのです。
クロームブックを使ったり、国語辞典を使って自分で苦労させるべきです。
その後、「くとうてんっていうのかぁ!」
と喜びに沸きます。
それだけでなく、
「。は句点、、は読点、だから合わせて句読点っていうのかぁ!!」
と新たな学びを自分で身に付けるのです。
老子の格言に、
『授人以魚 不如授人以漁』という言葉があります。
「飢えている人がいるときに、魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか。」という意味です。
要約すると、
「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」という考え方です。
これは、学習でも通ずる考え方です。
答えを教えるのではなく、答えの導き方(学び方)を教える(自分で得る)ということです。
知識と学び方(思考・判断・表現)のバランスが大切なのですね。
きっと、子供たちは、「句読点」の読みと意味を忘れないで、次の学習につなげていくことでしょう。
校長室に戻り、外を眺めると、
棒をもった公務補が、何やら探しものをしています。
「スズメバチが巣を作っていないか、確認しています!」
とのこと。
危機管理がばっちりです。いわずとも自分ができる仕事を見付けて動くことができることに、
敬意をもちました。
敬意といえば…、
天気が悪く、運動会の準備も予定通り進まないのですが、
中学校の先生から、
「グラウンドにテントを張ろうと思います。」
と連絡が入りました。
すぐにグラウンドに向かうと、
数人の先生が、準備していてくれました。
「ありがとね! 小学校からも来るから。」
というと、一斉にテント建てが始まりました。
先のブログでもお伝えしたように、
私は、「やるよ!」
の担当の言葉に一斉に集まり、一斉に動くという組織体が大事だと思うのです。
こうした動きをみると、嬉しくなりました。
窓の外では、セミが鳴き始めました。
紋別の短い夏が始った感じがします。
取り組み方と取り組む姿勢
今週、中学校との合同練習が本格的に動き出しました。
天気が悪かった日には、体育館で移動の確認をしたり、
児童生徒の係打ち合わせをしたり…、
久しぶりに快晴だった今日は、綱引きやリレーの動きをしてみたりしました。
その中で、習慣となった様子(姿)を見ました。
分かりますか?
演台に立っている人にへそを向けて立っています。
これは、指示したわけではありません。
教頭に確認してみると、
『高学年からずっとこうして聞く態度を育てていました。』
とのこと。
4月某日のHPでも紹介しましたが、話す子を育てるには、聞く子を育てる必要があります。
その後、教室で同じような場面がありました。
こうした習慣は1日にして為らず。
まして、形ばかりでなく、興味関心をひく話をしなければこうはなりません。
別話です。
中学校のグラウンドで練習していると、中学校の先生がやってきました。
小学校競技の道具を確認しに来たそうです。
「私は道具係なので、使うものを確認したくて…。」
というのです。
ありがたいことです。
職員の準備、調整は、子供たちのいい眼・いい顔を観るためでもあります。
職員の動き
今日は、渚滑小の職員の話題を紹介します。
昨日、放課後に職員総出で作業しました。
渚滑小学校の体育館床を改修することになり、体育館器具室や放送室の道具をすべて外のプレハブに移動することになったのです。
教頭が、
「〇時から作業を始めます。」
と放送を流すと、校内あちこちにいた教員が、すっと集合しました。
私は、こういう動きが大好きです。
というか、規模に関係なく、こういう動きができる組織でありたいと思うのです。
まず、時間を守るということ。
そして、全員が一斉に集まるということです。
全校集会をするとき、開始のチャイムとともに集会がスタートするかどうかで、
その学校のこだわりも、大切にしてる指導が何かも分かるものです。
そして、普段は掃除ができない場所にゴミがたまっていますから、
掃除をするのです。
誰ともいわず、ごくごく自然と掃除をするその姿を見て、誇らしく思います。
子供たちに学んでほしいことを、指導者ができなくて伝わるわけがありませんから…。
私もそんなに偉そうに言えるほど、善い行いをしていませんが、
こういう視点で、私は職員(人)を観察しています。
中学校の体育館で運動会の練習をするときに、
きちっと靴を並べられるような渚滑っ子も素敵です。
きっと、おうちでのしつけも、行き届いているからなのでしょう。
なんだか楽しかったなぁ…。
今日、低学年の下校を見送った後、二階の窓から何気なく外を眺めていました。
よく見てみると、数人の子が傘を差しながら駈けている様子が目に映りました。
数メートル走っては立ち止まり、下を眺めているのです。
虫でもいるのでしょうか。
三人が頭をくっつけて何やら指差しています。
そして数秒後、また駆け出します。
そしてまた立ち止まり、道端の植物に手を出しています。
そしてまた、走り出します。
子供の興味の移り変わりは早いですから、気になるものにはすぐに飛びついて、
すぐに飽きて、そして次の物に…。
その様子を見て、知らずのうちに微笑んでいる自分がいました。
子供の頃の自分を思い出し、
「登下校の途中にはたくさんの刺激があったな…。」
と…。
その分、トラブルもありましたが学んだこともたくさんありました。
過去に担任を持っていた頃、ある保護者の方が、
「先生! すいません。傘を息子に渡してもらえますか?」
と息を切らせて持ってきたことがありました。
もう20年以上も前の話です。
その後、しばらく経って久しぶりに再会したその保護者の方は、
その日の出来事についてこう話しました。
「木村先生との思い出は、傘を学校に持っていった時の先生の言葉です。」
『そうですか、私はなんて言ったんですか?』
「傘を忘れたのなら、濡れて帰ればいいんですよ。
濡れて帰るのが嫌なら、次から天気のことを考えて、自分から傘を持つようになりますから…。」
言った本人が忘れていたことを、その保護者の方は話してくださいました。
そんなことを言う教員がいるのだと思ったのと同時に、
子供にその話をして、傘を忘れても親が届けないことにしたそうです。
不審者、熊対応、学校の統廃合など現代の環境は大きく様変わりし、子供の登下校事情も変化しています。
ただ、そういう時代だからこそ、学校で子供たちに「何を学ばせ、何を気付かせるのか?」
と試されている気がしています。
私は、放課後の3人の後姿を見て、
「気を付けて帰るんだよ。また明日な…。」
と見送りました。
すっかり雨もあがっています。
幼い頃の自分を見ているかのようでした。
人のつながり
今日、小学校と隣接する中学校のある活動に参加してきました。
「クリーン活動」です。「エサ ゼロ活動」とも名打っていました。
先日、中学校でも「熊」についての学習を深めたそうで、その中で、
「ごみの味を覚えた賢い熊(鼻が利く)が、えさを探しにやってくる。」
「だから、えさとなるごみを拾おう!」
ということです。
3つのグループに分かれて拾い始めたごみは、用意した袋にいっぱいになりました。
地域の方々、駐在所の方も参加し、天気のよい昼下がりにすがすがしい活動をしてきました。
中学校の生徒も礼儀正しく、かつ明るい生徒たちばかりでした。先生との距離もいい感じです。
中学校長の価値付けのあいさつでは、
「みんな、いい顔をしています。きっと、いい活動をしてきたからだと思います。」
と結んでいました。
私も気持ちがほっこりとして帰ってくると、職員室に来客がいました。
その方が、
「校長先生のブログ、観てますよ。」
とおっしゃいました。
嬉しいお言葉でした。
今日、一日を過ごし、「やっぱり学校は、人と人をつなぐ場なのだ」と感じた瞬間でした。
中学校と小学校で、「エサ ゼロ活動」をしたら面白そうだな…。と感じました。
メッセージを伝える
6月になりました。
月に一度の「全校朝会」をおこないました。
私も6月の生活目標の「協力」のキーワードについて話したのですが、その後、教員の一人が子供たちにメッセージを届けました。
この写真を提示し、
「この写真、熊訓練のときのみなさんの写真です。この写真は、いい写真だと思うんだけど、なぜそう思えるのかな?」
と問いました。
『みんな、真剣に話を聴いているところ。』
子供たちがその問いにつぶやきます。
「そうですね。先生は、こうしてみんなが『考えている』ことに意味があると思います。」
子供たちは、色々な視点で写真を観ています。
その様子をその職員の視点で価値付けています。
私は、こうして人それぞれの価値観を話す場が大切だと感じています。
この後、高学年が前に出てきて、間近に行われる「運動会」への取り組み方について下級生にメッセージを届けました。
運動会に競技者として参加するだけでなく、上級生として何を為すか?を考えた行動でした。
そのメッセージを受け取り、渚滑っ子がどのような行動をするか楽しみです。
習慣の大切さ
6月15日の運動会に向けた練習がスタートしています。
近頃の天候により屋外での練習ではなく、体育館での全体の動きについての確認が多くなっています。
今日は、「綱引き」と「リレー」の並び方と動きについて確認していました。
私は、この時の子供たちを観察する視点として、「返事」を見ていました。
担当の教員が、
「名前を呼ばれたら、こちらに並んでください。では、〇〇さん。」
この時に、返事ができているか?
を見ていたのです。
でも、合格点はあげられませんでした。
私はある市の病院で、このような張り紙を目にしました。
「名前を呼ばれて返事がなければ、次の方を優先します。」
この対応に、賛否両論あるだろうと思いましたが、この張り紙の背景にどんなことがあったのか想像してみました。
「きっと、何度も名前を呼んだのに反応がなかったんだろうな…。」
「もし、耳の不自由な方がいたらどうしたらいいんだろう…。」
でも、やっぱり大切にしたい習慣の「返事」
ここにいます!
分かりました!
そういう意味のある返事を、元気よくできる子供たちでいてほしいです。
よい習慣を身に付けるには時間が掛かります。
悪い習慣が身に付くにはあっという間です。
日頃から意識させることが大切なのです。
学ぶのは子だけじゃない
先日、「提案授業」をしました。
渚滑小学校で大切にしたいことを、授業でどのように子に身に付けさせるか?
ということです。
「教わる」のではなく、「自分たちで学ぶ」という視点で授業が展開していきます。
本校は複式学級であるため、担任が交互に学年を渡って指導します。
担任が隣の学年についている時間は、自分たちで学習を作って(調整)していく力が必要です。
今回の提案授業では、
どのように学習に必要感をもち自分たちで授業を進めていくか?
子供たちがどのようにアウトプット(自分の考えを表現)するか?
がテーマでした。
中学校の先生も多く参観に来てくださり、感想や助言を述べていただきました。
提案授業ですから、担任団は、その授業の要素を自分の学級でも応用できるか?
使えそうなことはないか?
を考えます。
学ぶのは子だけじゃありません。
先生も悩み、考えています。
子も大人も日々、自分を磨く集団でありたいです。